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第7章 親と子のボーダーライン(その53)

黒板には、いろんな高さに問題と答えが書き出されている。

綺麗な文字もあれば、読みにくい字もある。

その文字の大きさも区々だ。

それだけ、書いた子の個性が表れていると言うことなのだろう。


今、黒板の前に立っているのは悠子を含めて3人だ。

初めの頃に指名をされた子は、もう既に書き終えて席に戻っている。



全問の指名を終えた担任は、書かれた解答を端から順に目で追っているようで、しばらくは黙って黒板を見続けていた。


こうして書き出されても、哲司には、どれが正解で、どれが不正解なのかはまったく分からない。

ただ、ああして、手を挙げて、自ら前に出て解答する奴の気が知れない。

何の得がある? ええカッコばっかりしやがって・・・、そう思っている。


ふと横を見ると、美貴は黒板に書き出された解答と自分がノートに書いたものとを盛んに見比べるようにしている。

どれが正解で、どれが間違っているのかを確認しているようにも見える。


やがて、悠子が書き終わって席に戻ると、担任はその悠子が書いた解答をじっと見るようにしてから教壇の定位置に戻った。



「はい。ご苦労様でした・・・。」

担任は、そう言って、改めて教室内を見渡す。

そして、言葉を続けた。


「はい。ここに10問の問題と解答が書き出されました。

皆さんもそれぞれに解答をされているでしょうから、お聞きします。

ここに書き出された解答とは違う答えになると思うものがあれば、手を挙げてください。」

哲司がその言葉に即反応をする。

かと言って、もちろん手を挙げるわけではない。

周囲や後ろの方を見渡すのだ。


案の定。担任の言葉を受けて、クラス内に静かなざわめきが起きる。

やはり、全問が正解というのではないようだ。

哲司はにんまりとする。

さてさて、誰の解答が間違ってる?



「ん? これで、良いのでしょうか? 皆さんの考えた答えと一緒なんですか?」

担任がそう問いかける。

まるで、テレビのクイズ番組の司会者のような口ぶりだ。

如何にも、どこかに間違いがあるとでも言いたげだ。


だが、それでも、誰も手を挙げない。

少なくとも、哲司は、そうした雰囲気を感じる。


「では、折角ですから、もう少し時間を上げます。ひとつひとつ、自分の答えと照らし合わせてみてください。

もちろん、今、前に出て書いた人も、自分の答えが間違っていると思えば修正してもらっても構いませんよ。」

担任は、そう言ってから、教壇を降りてくる。



(つづく)



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