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第5章 舞い降りたエンジェル(その1)

その翌日、不思議と哲司は朝早くに目が覚めた。


たまたまトイレに立ったのだが、それから眠れなかった。

10分ほどは横になっていたものの、結局はそのまま起きることにした。



顔を洗ってから、気がついた。

「そうだ、今日、家に帰るんだった。」

1週間に1回ぐらいしか使わない電気剃刀を使うことに。


「うん?・・・」

肝心の電気剃刀が動かない。

ああ、そう言えば、先週使ったとき、もう電池が無いんだな、と思ったことを思い出す。

何度かスイッチを入れたり切ったりしてみるが、やはり駄目だ。



電池の予備は置いてない。

そんな準備をしておくタイプでもない。


「仕方が無い、買いに行くか。」

哲司はその足で、小銭入れだけをポケットに入れて外へ出た。


その足は自然とコンビニに向けられる。

奈菜には今会いたくは無いが、この早朝だとまだ勤務していないはずだ。



店に入る。

店長の顔があった。


「おはようございます。いらっしゃいませ。」

マニュアルどおりの挨拶が飛んでくる。

哲司も会釈でそれに答える。


「今日は、えらくお早いですねぇ。」

昨日の今日である。

店長が親しげに声を掛けてくる。


「電池はどこでしたっけ。」

哲司はその場所を知ってはいたが、わざと惚けて見せた。

店長がその場所まで案内してくれる。


目的の電池を手にして、レジ台の方向に進む。

慌てて、店長が哲司を追い越すようにして、カウンターの中へ入る。



「今日から数日、実家へ戻るんで・・・。」

電池を買った理由というべきか、こんな時間に来た理由というべきかは分らないが、哲司はそう言った。

これで、奈菜にもそのことが伝わるだろうと考えた。

直接連絡するよりは楽なような気がした。



「実家って、どちらなんです?」

店長が、意外なことを訊いてきた。



(つづく)



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