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第4章 奈菜と言う名のマドンナ(その5)

「部屋を開けて入ってくるだろう。

それで、このテーブルのところまで来るよな。

それから、ポケットから携帯と小銭入れを出すよな。

部屋の鍵もそこに置くだろ。

・・・・・・・・・・。

そうだよな。

それが全て終ってから、袋を提げたままでキッチンまで行くよな。」



「ん?

あの時、小銭入れって持ってなかった?」


「・・・どうだったんだろう?

5千円札1枚を持って出たんじゃなかったか?

だとすれば、その5千円札はポケットに直接入れるよな。」


「おお、そうだそうだ。」


哲司の自問自答が続く。



財布は余程のことがない限り、この部屋からは持って出ない。

普通、この近所に出るときは、携帯電話と小銭入れだけを持つ。

それが哲司の生活パターンであり、習性でもある。


だが、小銭では買えない場合、つまり財布に入っている千円以上の札が必要になったときは、2通りのパターンがあった。


そのひとつは、千円札1枚だけを財布から取り出したときだ。

その場合は、その千円札を4つに折って、小銭入れに入れる。

その日の予定されている出費をそれで支払うと、小銭の釣りが残るということを前提にしている。


もうひとつは、5千円あるいは1万円の札を持って出るときだ。

このときには、もう小銭入れは持って出ない。

釣銭にも札が混じるから、小銭入れは邪魔になるだけだ。

その札1枚だけをポケットに押し込んで、出ることになる。

その方がその日の支出額がよく分ることも理由のひとつだ。



「そうだ!

5千円札を持って出たのだから、小銭入れは置いたままだったはずだ。

と、言うことは、釣銭を全てそのままでポケットに突っ込んで帰って来たってことだ。

だとすると、ここでポケットからその釣銭を出して・・・・。」


ここまできて、ようやく哲司は釣銭が多いことに気がついた場面を思い出した。


「そうなんだ。・・・ここで、こうして千円札と小銭を区分けしていて・・・。」



(つづく)



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