最強の能力
ーーーここが正念場だ。
世界の破滅を願った最後の闘いが始まるーー
「おまえが.... 最初の4人の....」
「そう。いわゆるこの世界最強の存在ってやつだな。」
あながち、その言葉に偽りはないのだろう。
今までのやつとは比べものにならないほどのオーラを感じるのだ。
特徴的なのは、髪の色が炎髪なぐらいだ。
背丈は大きくもなく小さくもなく特に特徴があるというわけではない。
だが...今までのどんな特徴的な敵よりも強く見える。
足が...震える。
もう、かえろーぜと語りかけているみたいだ。
だが....それはできない。
こいつを倒さないと世界は変わらないんだ。
「いっておくが、おれたちはいいことをしているんだぜ。異端者はお前らだ。俺から見たらお前らの方がよっぽど異常に見えるぜ」
「それは...力を手に入れたからだろ?」
おれはなんとか声を震わせながら発する。
「あ???」
「今までは都合の悪い世界だから破滅を願いいざ、都合がよくなったら今度は守ろうとする。そんなの...おかしいだろ...こんな世界は間違っている。....おれが...おれが..ぶっ壊す!!」
おれは手を釘に変え力を込める。
......全力。
........いまもってるありったけの力をここにぶつける!!!!!
「いいぜ。かかってこいよ。新入り(ルーキー)。 伝説の実力を見せてやるよ」
言われなくてもそうするさ!!
一撃...一撃で決めてやる!!
釘......釘.......
想力の力は想いの力。
....つまりは想像力の力だ。
....創造しろ。自分の限界まで。
....最強の釘の力を!!!!
おれは片腕にすべての力を注ぎ込む。
....撃ち込む!!
おれは全力の力を込めて放つ。
「くらぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」
.....やったか!!?
感触はあった。
.....これで!!!
「それが明の全力かい?」
この化け物はおれの全身の力を片手で止めて見せたのだ。
「.........なぜ??」
おれの手が釘じゃなくてただの手に変わってる。これじゃ、ただのパンチだ。
簡単にとめられてもおかしくない。
....なぜだ。
想力不足のわけもない。失敗したともおもえない。
....まさか...!!?
「...それがこいつの能力か!!」
「そういうことだよ。おれの能力は、無効化。手に触れただけですべての力をなかったことにする 能力消去の能力だ。」
....これがこの世界最強の能力。
これが 最初の4人最強の能力 ..!!
「...なんだよ...それ...」
「それじゃ...どれだけおれが最高の釘をぶつけても意味ないってことかよ...,」
「まぁ、そういうことだ。だからお前は諦めろ。お前じゃ俺には勝てんよ」
....強すぎる。
だが...この程度であきらめられるか!!
...考えろ。
いっつもそれで乗り換えてきたじゃないか。
...思考回路を回せ.....
「...だめだ。」
今回ばかりは想像がつかない。
どんな攻撃しても打ち消されるなら意味ないじゃないか....
「仕掛けてこないのか...?ならこちらから!!」
炎髪の男は拳を込める。
....するとどうか。
「......おれの釘の力...??」
そこには...おれの釘があったのだった。
「打ち消した力はどこにいくとおもう...??.
..答えはおれの力にだ。おれは一度打ち消した能力は一定時間使えるようになるんだよ」
「さぁ...お前の釘の力を試してやるよ!」
炎髪の男はおれの釘の力を使い突進してきた。
「...くそっ!!」
オチオチ考えてる暇もない!!
俺は釘の力を使い応戦する。
...上手くいきゃ相打ち程度にはできるか...!
「まぁ、まともに戦うつもりはないがな」
炎髪の男は釘の能力を使っていない方の手で力を無効化した。
それだけでおれの力は無力と化す。
「じゃあ、あばよ」
その上でおれの釘の力を使う。
身体が悲鳴を上げている。
致命傷は避けたがそれでももはやたつのがやっとだ....
万事...休すか......
「自分の能力でやられるのはどうだ?その惨めな気持ちを抱いたまま死ね」
おれに向けて釘を向ける。
....終わりか.....
その時だ。
「い...いてぇぇぇぇぇ!!」
俺を殺そうとした釘の力をつかった手に矢が刺さっているのだ。
矢が発射された方向を見るとそこには....
「仲間のピンチに颯爽と現れる主人公の気持ちってこういう感じなんだろうね」
身体はボロボロだが、その姿は立派だった。
....かつての仇敵、遠矢が仲間として現れたのだ。
「さぁ、始めようか。 化け物退治を」




