龍華&萃香vsチャラ男
「あんたは役立たずだから引っ込んでなさいよ!!」
私は少しヒステリック気味に叫んだ。
だって...仕方がないのだ。
こいつが...むかつく!!
「あんたこそ私の大事な目にゴミがさっきからうろちょろされてることが迷惑だと気づきなさいよ」
「キー!!だれがゴミですか!」
「あら???私、貴方がゴミなんていったことありませんわよ??それともその自覚が??」
私の脳のすべての血管が切れた音がしたような気がした。
やはり、こいつを倒さないとダメな気がする。
目の前の敵よりも私にとっては萃香と呼ばれた先輩がよっぽど敵に見えてしまう。
「おいおい...ぼくちんを巡って争いなんてしないでくれよー。ぼくちんはどちらも愛してあげるぜ☆」
だめだ。もう我慢ならない。
「まず、目の前にいる勘違いチャラ男を倒すのが最優先ね」
「あら、奇遇ですね。珍しく意見があいましたね」
目の前にいる男、 最初の4人の一人だ。髪型は金髪。さらにいたるところにピアスをつけたりして俗に言うチャラ男ってやつだ。
私にとってはまずもう見た目だけでダメなタイプだ。
その点..明君は....
って違う違う!!今は敵のことに集中しなきゃ!
「龍華さん。今は停戦協定を結んでいますがあくまでこの闘いが終わるまでですよ」
「そんなのわかってるわよ!!こっちだって後から泣きべそ言っても知らないんだから!」
「そろそろ僕の取り合いは終わったかい?こんなかわいい子たちと殺しあわなきゃいけないなんて悲しいけどこれも愛の試練!!半殺しぐらいまで止めてあげるから残りの男共ぶっ殺してからぼくちんと遊ぼうぜ☆」
......狂ってる。狂ってるわ、こいつ。
私は戦闘態勢をとる。
私の電撃を決めて終わらせる。
そして一番に明くんを助けるんだ...!
そして、なにより....
「「この女にだけは負けたくない!!」」
二人の気持ちは一致した。
恐らく私たちは二人いてもチームプレイなんてできないんだろうな...
「 雷音怒声!!」
私の声と共に雷が空から一直線で落ちる。
狙いは...もちろんこのチャラ男!
一発で終わらしてやる!
「へー。雷の能力なんてなかなか強力だねぇ。でもぼくちんには...とどかないよ?」
え???
私が落とした雷がチャラ男に落ちた瞬間、その雷は私に向かって一直線で飛んできたのだ。
「あぶない!!龍華さん!!」
咄嗟の萃香先輩の大声にひるむようにそのまま横に身体を逸らした。
.....危なかった。
萃香先輩が 5eyesでこうなることが見えていなくて声をかえてくれなければ今ごろ私は自分の雷に直撃して死ぬという死んでも死に切れないような死に方になっていたに違いない。
「あ...ありがと..」
「いいわよ。そんなことは...それより...あの男の能力は反射なのかしら?」
「そのとうり!!っといってもこの能力は鏡の能力といったほうがただしいね。例えどんな攻撃が来てもあらゆる方位に跳ね返すことが可能...まさに無敵の能力だね!!」
...それが本当なら恐ろしい能力だ。弱点と思えるような点が思いつかない。
こんな化け物一体どうしたら....
「私に一つ試したいことがあるわ」
そんな時、萃香先輩はこの劣勢の中でもなにか考えていたのだ。
「だけど、もしこの方法が使えても貴方と私が本当に心がつうじなきゃ使えない技なのよ。それでも...試してみる?」
私はその場で悩みこんだ。目の前にいるのは恋敵といってもおかしくない人物。
できればあまり手助けはしたくない。
...だけど...だけど
「私と萃香先輩って根本的なことは同じじゃないですか?」
「??突然どうしたの??それにどういうこと?」
「...だから!!私も萃香先輩も明くんが好きでしょ?同じ人を好きになっちゃった...これってある意味感情が同じじゃないとできないでしょ?だから...私と先輩は分かり合えますよ。通じてますよ!」
「....ふふっ..」
先輩は少し笑っていた。その笑顔は今まで見せていた私を小馬鹿にするような笑い方ではなく純粋に笑顔を見せていた。
その姿は....悔しいけど私からみてもかわいいとおもってしまった。
「そうね..そのとうりね..なら..耳を貸して」
先輩が思いついた方法を聞いた。
...なるほど。たしかに可能性がないわけではない。
やってみなきゃ..結局わからないでしょ!
「ハァァァァァァァァ!!」
私は精一杯気を貯める。フルチャージまで貯める。
「そんなことやってもぼくっちの能力の餌食にされるだけなんだけどな...」
いけっ!私の全力!!
「 雷音怒声!!!」
さっきの2倍は大きい雷をチャラ男にむけて一直線に落とす。
「 反射鏡!!」
「龍華さん!!左!!」
萃香先輩に声に従って左によけた。すると雷は右に向かって解き放たれた。
「さぁ!もう一発よ!」
「んなことないかいもやられてもな..」
私はもう一発むけてチャラ男に放つ。チャラ男はそれもきっちり跳ね返す。
「わかったわ..やっぱりそのとうりよ!!」
ビンゴ...!萃香先輩の仮説はただしいらしい。
あとは..証明するだけ。
「もう一発落として!!」
私はいわれるまま、 雷音怒声を解き放つ。 想力ももう使い果たしかけだ。
この考えが成功しなければ..
いや、そんなことは考えない。
だって.. 最強の 恋敵がついているんですもの!!
「 反射鏡!いっただろ。何回もやって..........も????」
その雷は男の身体を貫いていた。
「グワァァァァァァ!!な...なぜ..???」
「なにいってるんの?鏡だって一点に集中して攻撃したらわれるじゃない?」
「...え??」
「鏡の能力って聞いた瞬間、真っ先に耐久力がきになったわ。ガラスでできているならいくらはね返せるといっても限界があるんじゃないかって。私の能力で貴方がその場所で反射してくれるとかを読んであえて同じ場所に打ち続けていたのよ」
「そんなぁ..最強の能力が...最強の能力がぁぁ!!」
男はそのまま意識を失った。
しかし、意識を失ったのは龍華も同じだった。
恐らくずっと打ち続けていたために 想力を使い切ったに違いない。
正直、萃香にはこのまま龍華をおいていって明くんの元へ向かう道はある。
....だが、しなかったのだ。
それをしたら、明くんきっと怒るから....




