黒鳥vs遠矢
「お前とはいずれやり合うと思っていたよ。遠矢」
知のカラスこと平尾黒鳥が翼を広げそれを悠々と飛翔しながら下を見下ろすようにして話しかけてきた。
「おれもだ..前々から嫌いだったよ。黒鳥。知ってるかい?黒鳥。ぼくは人を上から見下ろすやつが一番嫌いなんだよ!!」
永遠の弓弦。ぼくは頭の中から呪文を唱えるとその弓が姿を現わす。
この弓は敵を逃さない。
例え飛んでいる鳥であろうが敵を捕捉し...射抜く!!
弓は発射された。その弓はまっすぐ黒鳥に向かって飛び出して...
「鴉の翼(レイヴンウイング」」
その弓は、風と共に吹き飛ばされた。
「君じゃないとぼくを倒せないとか面白いこといってたよね。だけど..真実は逆だよ。弓なんて貧弱な物をつかっている時点で君に勝利なんてないんだよ」
「な...なんだと!?」
「ぼくの 鴉の翼はその風と共に全てを吹き飛ばす。君の浅はかな夢もね」
恐るべき威力だ。近づいたと感知したときぼくの身体ごと吹っ飛ばしてしまいそうな勢いの風を発生させその弓ごと吹き飛ばす...
なるほど。たしかに強い。
なにか...なにか策を巡らせろ...
頭を回転させるんだ。
なにか..手はなかったか?
今ぼくの武器になりそうなものは弓と色々な矢ぐらい。結局矢で敵を撃ち抜く以外こいつを倒す方法はなかったのか...
「どうしたんだい。そんなに震えて?もしかしてぼくの実力を思い知ってもう闘えないのかな?」
「ははっ...!逆だよ逆。ぼくは強敵とたたかえるほど燃えるタイプなのさ..!」
「ふふっ..強がりを..ならばそんな余裕のセリフを二度とはけないようにしてやる。 鴉の連撃!!」
ーーーーそれは、風が引き起こすパレードのようだった。
風が何重にもあらゆる方向から解き放たれた。
全方位から放たれる風の斬撃。躱わせるはずもなかった。
「 鉄壁の弓弦!!」
ぼくは弓を巨大化させる。そしてその巨大化した弓を盾に使う。
容赦なく斬撃はぼくに向かって襲いかかってくる。
だが、なんとか斬撃を半分程度ほど無効化させることに成功した。
だが、 想力を使用している限り多発はできない。
ぼくは他の人より 想力は強い。だが、たたでさえぼくの技は弓を常用して初めて使える能力なのだ。
つまり弓をもっている間は常に 想力を使用しつづけていることになるのだ。
無駄打ちは...できない!!
「弓を巨大化させて、盾に使うとは...なかなか面白い発想だな。だが、確実に体力は削れているぞ...果たしてどっちが優勢かな?」
「だから..上から質問されるのは大っ嫌いなんだよぼくは!!!!!今から全ての力をこの矢に込める!!」
俺の矢は溜め攻撃ってやつなのだ。溜めれば溜めるほど威力は上がる。
おれは弓を構える。すると赤白い光が発色する。
これが...溜め攻撃だ。
全力を叩き込む!!
想力的にはもう余裕はない。撃ててこれ含めてあと2発といったところだ。
その2発をどう有効に使えるか...
この作戦しかない。
「ふっ..溜めなどは当たらなきゃいみがないのに。君はそこまで馬鹿になったのかい?いいよ..ふきとばしてあげる」
「 永遠の(エターナル)!!」
その弓は放たれた。赤白く光る矢だ。これが溜め攻撃。
その分だけ..威力はます!!
「 やれやれ.. 鴉の翼」
いつものように黒鳥は風を作る。
その風で吹き飛ばされる刹那..!!
「 永遠の爆発!!」
「えっ...???」
その矢は風に触れた瞬間、大爆発を起こした。
その大爆発は空中にまるで黒鳥を狙う...ように!!
空中に凄まじい爆発音が響きわたる。
そして...その爆発の煙から姿を出したのは爆発をまともに受けそのまま地に落ちた黒鳥だった。
「と......お......や.......さっきの...溜め....は...ブラフ...だったのか....!?」
「当たり前じゃん。溜め攻撃は威力が上がっても吹き飛ばせなくなるようなことはできない。だけど..触れた瞬間に爆発するならかんけいないと思ったんだよ,」
「遠矢の....くせに...」
「上から見下ろしてないでさっさとトドメをささなかったのが君の敗因だね。いったでしょ?ぼくは人を見下ろすことは大好きでも見下ろされるのか大っ嫌いなんだ。だから..嬉しいよ。君が倒れている今、ぼくは君を見下ろしている。最高の気分さ!!」
「ははっ...貴様はただの..ドSの人格破綻者だ。お前なんかにいい子ちゃんがつとまるわけ.....」
「 永遠の弓弦」
グサッ..!!その真上から放った弓は黒鳥の心臓を射抜いた。
もう、黒鳥が喋ることはなくなった。
心臓の音も..聞こえない。
「さよなら、黒鳥。お前じゃ...ぼくのライバルになることは不可能だったのだよ」
今、ぼくの永遠のライバルは 最初の4人のNO1と闘っているのだ。
こんな奴を倒したところでなんの誉れにもならない。
向かおう。明くんのもとへ.....
いや、永遠のライバルのもとへ...




