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VS遠矢会長


「ぼくの 永遠の弓弦エターナルアローにまだ勝つ気でいることに驚きをかくせないよ」

「なにぶん諦めの悪い性格でしてね..」


いくら、結界があるため元の世界は平気とはいえ、この生徒会室という狭い部屋が戦いの場だ。

短期で終わらしてやる!


「くらえ!!」


おれは、片手を釘に変え、そのまま遠矢会長に向かって突進する。


だが...!!


「 永遠の弓弦エターナルアロー


弓の世界へいきつかれた。どこを見渡しても弓ばかり。幾多の弓矢の針がおれを向けて浮遊している。

これが..遠矢会長の力...!!

最強の遠距離タイプだ。


「さよなら、あきらくん」


その弓矢は一斉におれの身体を突き刺した。

痛い...痛い....

まさに地獄絵図とはこのことだ。

針で服はおろか全身がボロボロになった。

この一瞬でだ。

そのレベルの力を遠矢会長は保持している。

勝てないのか....?

こいつは強すぎる...

でも、諦めるのか....?


「さっき...あんな偉そうなことをいったんだ。後には..引けないでしょ!!」

「君もばかだねぇ...」


一人で倒すとかいってこのザマだ。

でも、後には引けない。

おれの闘いはボコボコにされてから、始まるんだよ!!


「ここが生徒会室でよかったですよ...」

「どういうことだい?ついに気でも狂ったか?」

「いや、こんなに狭い部屋なことですよ..狭いっていうのは遠距離タイプの遠矢会長には不利なんですよ。わかるでしょう?」

「ったく...近づかせなきゃいいだけでしょ!」


遠矢会長は大量の弓矢で刺す。もう..これ以上は耐えきれない。

身体がボロボロにながらも声を震わせながら発する。


「先輩は...なんで弓矢なんですか? 世界恩恵サーチバルが」

「ああ、そのこと。いいよ。別に隠すつもりないし教えてあげる。ぼくはね、比較的昔からなんでもできる性格だったんだよ..」

「スポーツもできる勉強もできる。そんなぼくが特にできたのは弓矢なのさ。弓道なら負ける人はいないくらい強くなった。」

「え..でも、 世界恩恵サーチバルはトラウマの塊なんじゃ」

「そうだよ。ぼくにとってはそれがトラウマになったんだよ。ぼくはある日なんで、こんなに弓が得意なのか考えたんだよ..」

「それで...わかった。弓というのはさっき君がいってたとおり遠距離な武器なんだよ。遠くから的を打つ。決して近くには近づかない。」

「は..はぁ..」

「ぼくはね、結局君のように友達が欲しかったのかもしれないね。近くからぶつかりたいと思ったときもあった。でも..だめだった。ぼくには弓ができても友達と呼べる人は一人もできなかったんだ。いつも一歩離れた立ち位置でみてる。だから..弓はぼくのトラウマの象徴なんだよ」


「だから..弓..」


「ぼくはべつに弓のことが嫌いじゃない。かといって好きではないけどね。だから、ぼくは君が羨ましかったんだろうな。そして...ぼくが君を殺してあげるよ...」


再び、遠矢会長は構えた。


「 永遠の弓弦エターナルアロー


また、この小部屋に無数の弓が現れる。

これをくらえば、もう次は耐えられないだろう。

そのことを、自分の身体が一番わかっている。

だから..あがくのさ


「さよ...な....ら?」


無数の弓矢は放たれることはなかった。

代わりに放たれたのは釘だった。


「ぐ...グハッ....な..なぜ..」


「先輩。昔話を語るときは、もっと周りを気にして話すといいですね...」


そう、おれはさっき遠矢会長が話している間、密かに釘を遠矢会長の周りに1本だけ真上に忍ばせたのだ。

会長の顔が歪む。今まで常に冷静沈着だった遠矢会長がついに冷静ではいられなくなったんだ。

チャンスはここしか..ない。

畳かけるしかない。


「先輩。最後は男らしく一発で勝負しませんか。遠矢会長がおれを弓で倒せたら勝ち、釘で倒したら勝ち。お互い一発ずつ」

「なんでぼくがそんな条件...」

「先輩はね..おれは羨ましがってると同時に妬んでるんだ。ぼくの力に...いずれ、必ず上がってくるおれの力に...!!」

「んだと...調子にのるなよ!後輩の癖に生意気なんだよ!!」


先輩がついに逆上した。

この時を狙っていた。

おれは最後の力を振り絞り遠矢会長に向かう。

おそらく一発でもうけたら本当におれは死ぬだろう。

だが、ここで引いたらだめなんだ。


「なめるなよ...なめるなよ....」


そもそも遠矢会長は遠距離タイプ。おれは近距離タイプ。早撃ち勝負じゃ勝ち目はない。

先輩が弓を構える。

だが、いつもの余裕をかんじられない。


「先輩..知ってますか?」

「死ね!!!あきら!!」

「弓をやる人は冷静沈着じゃないといけないんですよ」


1発の弓は、おれの目の前を...


通り過ぎた。


「は...はずした!!?」

「おれは、釘を刺す!!! 釘刺一発ニードルスピア!!!!!」


おれの手の釘が更に鋭くそして長くなる。

この一撃だ!!これを渇望していたんだ!

おれは、先輩を...さした!!!!!


「か.....ハッ....」


先輩はその場に、倒れこんだ。


「先輩のおかげで技が完成しましたよ。そのお詫びに急所ははずしたんですからね..」


恐らく、もう少ししたら遠矢会長は復活するだろう。

だが、後悔はしていない。

もしかしたらまたてきとなるかもしれない。

だけど、おれは確信していた。

先輩とは仲間になれると。


釘刺一発ニードルスピア


これが..おれの能力..


さっき、先輩を倒そうとしたとき不意に頭にでてきたのだ。

するとそれは力に変わった。

この力があれば闘えるだろう。


「たたかいますよ..この先へ..」


そしておれは決着をつけるんだ。

この闘い....いや、この世界と。



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