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萃香先輩 2

萃香先輩の方から毎日来てくれることは想定外で嬉しいことなのだがあんなことされたらなぁ...


期限などは遠矢先輩に聞いていなかったからなぁ

ここは朝の教室。おれは久々に授業を受けることにした。全く上の空だけど..

久々の授業はなんやら変な気分だ。

妄想でもして逃避しないと気がやられそうだ。

まず、教室に知り合いが少なすぎるのも問題だ。

山崎ぐらいしか知らないのだ。

まぁ、向こうもおれのことなんか認識してないだろうから別にいいけどね

キンコーンカーンコーン

授業が終わる鐘が鳴り響く。

10分くらいの休み時間だ。

さすがにこの時間じゃ先輩に会って話す時間なんてとてもじゃないがない。

だからいつも教室でおれは机に伏せ寝ている。


「おい..明」


うるっさいなぁ..人がせっかく寝ようとしてたのに..

いったい..誰がおれの名前を..

って..1人しかいないか


「山崎くん...どうした?」


「どうしたもこうしたもあるかよ。南雲から話は色々聞いてるけどよ...次は違うターゲットなんだって?だれだよ。」


「あぁ..朝倉萃香先輩っていう人..」


「え!?おまえあんな大物かよ!?」


「かわいいってこと?」


色々寝ぼけていて思考回路が働かない。

これじゃだめだとはわかっているが仕方はない。


「そうじゃねぇよ...あの人の能力5eyeを知っているのか?」


「5つの目になんでしょ?」


「それだけじゃねぇよ..あの目は恐ろしい..実は昔おれも命令されてあの女を殺そうと思ったんだ..だけど..無理だったよ..軽くあしらわれた..おれの爆発する手の攻撃を簡単に読まれ、あとはおれが遊ばれていただけだ...」


「な...なんだって..」


「5つも目があるってことは目がいいどころじゃねぇ..読めるんだ..敵の動きを完全に..そんな奴に当たるわけがない..勝てるわけゃなかったさ..」


敵の動きが..読める..

たしかにそれはやっかいだ..


「まっ..気をつけろよ...おれは応援してるからな」


「あ..ありがとう」


いいたいことをいって山崎くんは去っていった。そろそろ次の授業が始まる。


正々堂々戦う自信がつかない...

それほどの強敵だ。

だが..いずれ闘わなくちゃいけないんだ..

おれは決意を新たにした。


〜放課後〜


「明くん!今日もいこ♡」


放課後のチャイムがなって5分も立っていないのに萃香先輩がおれの教室に迎えに来た。

なんていう速さだ..

色々とすごすぎる..


「は..はぁ..」


萃香先輩がおれの手をとって例の体育館の小部屋に連れて行こうとする。

周りから嫉妬と殺意を込められた視線が向けられるが気にしてはいけない..

気にしてはいけないんだ...


先輩は実際気にしてないようだ。

恐らく人に見られる経験はたくさんあるんだろう。

今さら気にしてはいないようだ。

でも..おれはきにするんだよぅ...

ただでさえ、人にみられることに慣れていないし...


そんなこんなで体育館に向かったおれたちだった。


「先輩..なんでそんな人前で..」

「別にそんなのいいわよ。見せつけてあげましょーよ」

「見せつけるって...」


だめだ..先輩ってこんなキャラだったっけ?


「メーアドも交換しよう♡」

「はっ...はぁ..」


そういって先輩はおれのスマホをひったくるようにして、とったあと一瞬にしてメーアドを交換した様子だ。

先輩はおれにスマホを返してくれた瞬間いきなりピロリーンという音がなった。

おれのスマホのメールが来た時に着信音にしていた音だ。

まさかと思いおれは恐る恐るスマホを確認してみると...

案の定、宛先が俺の彼女優香と書かれたメールが一通届いていた。


「これからいつでも一緒♡永遠によろしくね♡」


顔を上げるとまるで天使のように微笑む優香先輩の姿がそこにあった。

怖い..とにかく怖い..

おれは今までにこれほどの恐怖を覚えたことはない。ある意味、遠矢先輩より怖いかもしれない。

さっきからメールを打つような仕草を一瞬たりともしてないのにこんな文章を打てたのが怖い。あげくに登録されている名前も怖い。


「ふふふっ..」


こ..こぇぇ〜〜〜〜。人が笑う姿にこれほどの恐怖を覚えたことはなかった。

やべぇ..帰りたい...

今からならまだ間に合うかな...


「逃がさないわよ♡」


すでに身体が帰る準備をしていたのだろう。それをしっかり読んで先輩はおれの手を掴んだ。

なんか..もう..色々とこの人には勝てないかもしれない..


「は.,はい...」


おれにとってはもはやなすすべがないとはこのことだ。

諦めて夜が更けるまで話した後、一緒に登下校した。


「あれ..先輩同じ道なんですか?」

「う..うん..そうだよ」


なにやら疑問に思ったのは、電車が降りる駅が一緒のとき..


「え??先輩??ここも?もう俺の家の近所ですよ?」

「えぇ..実は貴方の家の近所だったの..」


そんな偶然もあるもんだなぁ....と思ったのもここまでだった。


「先輩..ここおれの家ですよ?」

「へぇ〜偶然もあるもんですねぇ..私の家と同じだわ..」

「へぇ〜そんな偶然あるんですねぇ〜って!!!んなわけあるか!!!」

「てへっ☆」


ちくしょう..かわいいよ..

その美少女にしか許されないのは止めてよ..

美少女だから許してしまうだろうよ...


「でも..もう麗しき乙女は歩くのに疲れて一歩も歩けないの...」

「そうですか。じゃあ道端で寝といてください」


こんな変態に構ってられるか。さてさて、帰ってゆっくり寝よ...

おれは家のドアを閉めようとした瞬間、


バンッ!!!と奇妙な音がした。ドアから手が見える。

まさか..まさか..その手の先を見てみると...


「おねがぃだよぅ..泊めてよう..」


閉めようとしたドアになんと手を入れたのだ。とても麗しき乙女がやりそうになかったのだが..どうやら..おれに..拒否権はないようだ。

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