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勇気の叫び

走れ..!!走れ..!!走れ..!!

鼓動が加速する。全然抑まってくれはしない。その鼓動をさらに加速させるためにか抑えるためかわからないが無我夢中ではしる。

龍華さんから力をもらったんだ。

この力を保持したまま進みたい。

休み時間はもう残り5分程度しか残されていない。

もしかしたら、また明日の休み時間にしとけばよかったのかもしれない。

しかし、それではだめなのだ。

今、力を貰ったんだ..この瞬間を逃したら一生声をかけられない気がするからだ。

階段を一気に駆け下りる。この学校は屋上を含めて5階だ。朝倉萃香さんがいるクラスは3階。

駆け下りればすぐだ..1分もいらない!

...よし降りた!あとは教室へ向かうだけだ

こうなったら勢いだ。迷う時間はもう残されていないんだ!

他の3年生が奇異な視線でみるなかおれはその人混みをかいくぐっていく。

そのまま、3年2組にたどり着くことができた。

もう残り2分しかのこって居ない。たいしたことは話すことはできないが少しでも..少しでも..

おれは勢いのまま3年2組の扉を思いっきり開けた。


「すいません!!!朝倉萃香さんいますか!!!!!!」


よしっ...もうこうなったらやけだ!


「朝倉萃香さん!!放課後でも明日の昼休みでもなんでもいいんでお時間くれませんか!!宜しくお願いします!以上です!!」


おれは再びその勢いのまま扉を思いっきり閉めた。そしてそのまま屋上へ向かい全速力で走った。


これでいいですよね..龍華さん..!!


なぜか沸き起こった達成感とそれに対する羞恥心でいっぱいのまま無我夢中ではしった。




「えっ..?」


一方、朝倉萃香は教室の端っこ..窓際の席にいた。


「なんなの..あの子..」


同級生ではないだろう。見たことのない顔だ。いきなり扉を開けてあんな言葉を叫んだのだ。

これじゃまるで..これじゃまるで..


「す..萃香ちゃん..また告られたの?」


唯一仲のいい女友達で、メガネのおさげの女の子水道橋 優香が訪ねてきた。

たしかにあの言葉だけではそういう解釈にとられてもおかしくないだろう..


「はぁーーー。」


私は思いっきりため息をついた。

また...か..


周りの女子の目線がいたい。目が朝倉さんまた告られたの?っていいたいような目だ。

男子からはあらたなライバルを現れたな..!

っていいたいような目線だ。

こんなの..もう..うんざりだ。

あの子に、それをいわなくちゃいけない。

っとはいってもあの子、自分の情報をなにもいわないままいっちゃったからどこにいるのかがさっぱりわからない。

同級生ではないから恐らく下級生なのは間違いない。

放課後辺りに聞いてみようかしら..

でも..また目立っちゃうかも..

とっくに5時間目の授業が始まっていたが私の頭の中はそのことでいっぱいで、教師の言うことなんてなにも聞いてはいなかった。


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