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今日は久々の2話連続投稿です。

いつもいつも投稿ペースバラバラですいませんw


3年生の校舎とは2年生の校舎とは違い、3階にあるのだった。3階には図書室があるので図書室にいったりはするが当然なにか用でもない限り2年生が3年生の教室がある方向へいったりはしない。

朝倉萃香先輩のクラスは3年2組。

高の原高校のクラス体制は3クラス式に別れている。

1年生や2年生のクラス分けは完全にランダム制ではあるのだが、3年生になったら成績でクラスを分けたりする。

無論、受験のためである程度授業のレベルを合わせたいためであろう。

その分け方から考えると萃香先輩は丁度中間あたりの成績であることが考えられるだろう。勉強が良すぎるわけではなく悪すぎるわけでもない。勉強が原因という可能性は完全になくなったわけだ。

それにしても..

(2年生が3年生の教室にいくのは緊張するぜー)

周りを見渡せば一面の上級生。

前のときは良かった。青藤くんはニートだったから家に通えば良かった。

だが、今回は辺り一面が3年生。

アウェー感がすごいのだ。まるで魔王のいる城に一人勇者が紛れ込んでいる感じだ。

ただでさえ人が多いのが好きではないのに3年生という上級生の中に1人だけ紛れるんだ。

この中で3年2組にいかなくてはならない。

しかも接触するという事は最低でも萃香先輩とこの場所で話しかけなくてはならないのだ。

(きゅ..急に緊張してきたー)

だめだ..もう..帰りたい。

きょ..今日のところはこれくらいにしといてやるぜ!!と心の中で捨てゼリフを吐きながらこの場を立ち去ろうと..


「ったく..なにやってんのよ..」


すると誰かに腕をつかまれた。何故!?

一体だれが!?おれは慌ててその腕をつかまれた方向を見ると..


「りゅ..龍華さん!?」

「ったく..あんた..どんだけびびってんのよ..後ろから見てるのも危なかしくって仕方なかったわ..」


おれの天使1号龍華さんが目の前に現れた。

相変わらずかわいいなぁ..


「って..どうしてここに!?」

「あんたがまた会長の命令に従ってるってきいたからよ..それに..助けてもらった時のお礼がまだしてないし..」


後半辺りから段々声が、消えていっていてよく聞き取れなかった。


「え..後半なんていったん..」

「た..助けてくれてありがと!!!それだけ!!それだけなんだから!!」


なにがそれだけなのかはさっぱりわからないがとりあえずお礼は言われたのだがさすがに3年生の校舎で2年生同士が大声で話されては目立ってしまう。


「りゅ..龍華さん!!とりあえず一旦ここから離れてゆっくり話しませんか?」

「そ..それもそうね..」


龍華さんはおれの言いたいことがわかったんだろう。さっきから3年生がこちらを見る視線が痛いのだ。それもそうだ。

おれだって1年生がおれらの校舎で大声で話してたらさすがにおれも痛い視線でみてしまうであろう..

龍華さんはそれのせいなのかはわからないけど顔を真っ赤にしていた。

とりあえずおれらはこの場から逃げるように立ち去った。

自分の教室じゃ龍華さんと話しているのを見られるのがいやなため屋上へと移動した。

いつものように、屋上にはだれもいない。

龍華さんは普通に授業を受けてこっちに来たのであろう。現在は休み時間になっていた。

休み時間でもこの静かさなのだ。


「そ..それで一体龍華さんはどうして来たんですか?」

「あなたなんでまだ会長のいうことを聞いているの?」


質問を質問で返された。恐らくこのことが関係しているんだろうなぁ..

おれは今までのいきさつを全て龍華さんに話すことにした。

話しとかなければいけないと思ったからだ。


「なるほど..そういうことね..」


龍華さんはどうやら全てに納得したような表情だった。


「私ね..別に奴隷にするといっても特になにもされたわけじゃなかったの..恐らくあの人は自分の興味があること以外は一切興味がない人だと思うの。今は貴方にお熱なんだろうね。ただ、特になにもしてないことを明くんには言うなとはいわれた。連絡も許してもらえなかったわ」


それで、あの3日間だれからも連絡がなかったのか..

実は1日目の夜、心配になって龍華さんの携帯に電話したことがあったんだ。

ただし、出なかった。コールバックもなかったのだ。

それは余計、ぼくの心を焦らせることになったんだ。


「そして、今日授業が終わった瞬間、会長からメールが来ていた。内容は要約すると、私のことは解放する。ただし明くんはこれからもぼくに協力してくれるらしいよ。という内容だった..それで慌てて休み時間になったら3年生の教室にいったわ。次の目的のことも話してくれたからね、そしたら明くんに遭遇したわけ」


そ..そうだったか。しかし、メールの文面だけみたらまるでおれが喜んで参加しているみたいだ。


「でも..ぼくは脅されたわけで..」

「その時の私はそんなこと聞いてなかったわよ。もしかしたら、もしかしたら、明くんは青藤くんを殺したことにより変わってしまったのかと思ったわ。でも..違ったってすぐわかったわ。3年生の教室にオドオドしながらいる明くんをみてこんな子が変わっているわけないって思っちゃった」


龍華さんはクスリと笑いながら話した。


「でも、やっぱり萃香先輩っていう人を殺すんでしょ?」

「わからない..わからないけど..あって見なくちゃわからない..」

「それもそうね..なら...はい、これ」


そう言って彼女は一枚の紙切れを渡される。

その紙を開くとなにやら数字が書かれていた。


「携帯番号は会長も知っているからダメだったけど、これは家の番号。これなら会長もしらないから今度会長に脅されても大丈夫だしね」

「いいんですか..?」

「いいにきまってるじゃない。これなら安心だからいつでも電話かけてきて。いつでも相談に乗ったり加勢したりする。だから、頑張ってね」


龍華さんはおれを応援してくれているのだ。ならば、それに応えなきゃいけないな。


「はい!がんばります!」


おれは龍華さんに元気づけられた。これならもう3年生の校舎なんて怖くない。

休み時間が終わってしまわないうちに慌てて3年生の校舎へ向かうんだった。


「明くん..頑張ってね。私のヒーロー」


龍華さんが最後にボソボソといった一言など何も聞こえなかったけれど。

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