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生徒会会長遠矢


おれは、青藤を殺してしまったのだ..

目の前の現実から逃げるように青藤家を飛び出した。

今日の曇り空がまるで自分の心のように思えてくる。

いかなくちゃならない。遠矢会長の元へ。

おれは、学校に向かって早歩きで進んだ。早歩きの自覚はなかった。だが、人を殺してしまった罪悪感と早くここから逃げ出したいという思いが重なって結果的に早歩きという形になっていたのだ。

「報告しなきゃ..報告しなきゃ..」

おれは独り言をぶつぶつと呟いていた。

そうでもしないと..今やるべきことを呟いていないと頭がおかしくなりそうだ。

龍華さんを取り戻すんだ...

今できることは、それぐらいだろう。


✳︎


「そろそろ..かな?」


約束の3日が過ぎた。早乙女くんに言っていた課題だ。ぼくしかいない生徒会室。その一番奥にある椅子に座っている。机は6台あるが他の5台などほとんど使われてはいない。

ぼくはこういう風景が気に入っている。

生徒会といっていても実質動いたりしてるのはぼくだけなんだ。

ぼくに憧れて入った生徒会員などいたが招集などほとんどかけたことがなかった。

片付いたらこの部屋にくるように事前に早乙女くんには言っていた。

片付かなかったら..どうしよう?

だけど、その心配は杞憂に終わるとぼくは確信していた。

なぜなら..彼はやる時はやる子だからだ。

他の奴らとは目が違う。

彼は悩みながらも必ず遂行してくる。

目は口ほどにものをいうとはよくいったものだ。ぼくは人の上に立つことが好きな分、下々の目を見ればどういう人間かなどある程度理解できた。

だが、彼が落ち込むのはわかる。

だから..飴を与えないとね..

「ぬかりはないよ..あいつらを倒すためだからね」

あのくそったれみたいな3人だ。

四天王なんて名乗っていて恥ずかしいやつらだ。この世界の頂点はぼくだけなんだ。

3人も..いらないんだよ..!

そのための足がかりだ...


生徒会室の奥のドアがゆっくりと開かれた。


「青藤を殺してきたぞ..」


そらみろ..見ると彼はまるで10年ほど老けたような顔立ちになっていた。服も若干血がついたのであろう。赤色に少し染みている。

だが..彼はぼくの予想どうりやってきたのだ。


「おめでとう。これで君も一歩近づいたんだよ」


そして..ぼくもね...


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