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過去編4

「悪は滅びた..悪は滅びた..」


これで救われるんだ...色んな物から..解き放たれるんだ..


見下ろすと血まみれの死体が..4人..

彼らはピクリともしない..

ピクリ..とも..


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


ぼくは..なんてことをしたんだ..

とりかえしのつかない..ことを..


ぼくはこの場から少しでも逃げ出したくて屋上から飛び出す。

とりあえず..今日は家に帰ろう。

それから..次のことは考えよう...

ぼくは教室からカバンをひったくるようにしてとると一目散に下駄箱に向かって走り出した。


「やぁ?青藤くん。真っ青な顔してどうしたんだい?さては家にかえるつもりかい?」


「と..遠矢生徒..会長..」


「なんなら..ぼくが一緒に帰ってあげようか?ぼくの大事な部下を...殺してくれたお礼にさ」


「!?」


ばれている。もうぼくが殺したことがばれたのか..!?いや、そんなはずはない。まだ会長が見つけるにしてはあまりにもはやすぎる..


「え..なんのことですか..?」


「やだなー。とぼけないでよ。まぁその反応してくれたらぼくとしてもわかりやすくて助かるね。まぁ今日あたりに、呼び出しさせるようにいったからある程度予測はついていたけどね」


「もう..ぼくは帰りますんで..邪魔しないでください..」


「そっか。じゃあバイバイ。いやー残念だなー。あんな使える駒って結構少ないのに。また作らないとな。今度は能力持ってる奴にしようかな..心当たりがないわけじゃないんだけど..」


「あ..あんたは..人をなんとおもって..!」


ぼくの言葉はそこで止まった。それもそうだ。ぼくにそんなセリフを言う資格はない。ぼくが..殺したんだから..

もうぼくは、正義の心を手に入れるには色々な物を失いすぎたんだ。


「な..なんでもないです..それじゃ..サヨナラ..」


「あ..それと!!君には帰る場所なんてないよ殺人者。お母さんやお父さんには君のやったこと報告しといたからね。仲のいい親子でうらやましいーねー。って..あれ?もう行っちゃった?全く..せっかちだね..これだから最近の若者は..」


もう、気付いた時には駆け出していた。一刻も早く家に帰りたい。

あの、陽だまりのような温かさが今は欲しい。

なんせ..今のぼくは汚れすぎたんだ..


✳︎


家に帰ると、そこには温かさなんてなかったんだ。


「あんた..人を..殺したんかい?」


帰ってそういったお母さんの顔には温かさなんて微塵も感じなかった。顔を青ざめている。


そうか..これを人を殺した重みか..

家族なんて一瞬で崩壊するほどの重さなんか...

ぼくは無我夢中だって人を殺した重みなんて考える余裕がなかった。

こんなに..辛いのか...


「そ..そうだよ」


肯定しただけなのに..認めただけなのに..母の顔はまるで他人を見るような目に変わった。


「この..人殺し!!この家からでていけ!!!」


母はヤカンや、とりあえず身の回りにあったものを投げつけた。

やめてよ..そんなことしないでよ..


ぼくを..怒らせないでよ


気がつけば、前にあったのは恐らく、母であっただろう、血まみれの死体だった。

血が玄関中に染み渡っていた。

どうやら先ほど殺す時に使っていたカッターナイフで母の心臓を刺したんだろう。

その後も薙刀で斬り殺したんだろう。

だろうという何故かというと..記憶がないからだ..

その時の記憶がない..

気がつけばぼくは..人を殺していた。

そして、たまたま家に帰っていて居間でくつろいでいた父も大きな音が聞こえたから玄関にきたのだろう。

血まみれの父らしき死体もあった..


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


もう..自分でも..止められない..


認めよう、ヒーローを目指したぼくは殺人者になったんだ..


引きこもろう..学校にも二度といかないようにしよう。

誰にも触れられない..

誰にも干渉されないように..

こんなイかれた力が二度と使えないように..


二度と人を殺さないように...




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