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過去編1

〜〜〜〜〜〜1年前〜〜〜〜〜

「やったー!いよいよ明日から待ちに待った高校デビューだ!」

入学式を明日に備えるぼく、青藤は興奮をおさえることができなかった。

いよいよ、明日から高校生。どんなことが待ってるんだろう..

不安2割、期待は8割ぐらいだ。

「こらーー!うるさいわよ!」

「ご..ごめん!母さん!」

いかん..あまりにうるさくしていたから母さんに怒られてしまった。ぼくの母さんは怒ると怖くてうるさい人だけど愛情もって接してくれる人だ。お父さんも厳粛で、あまりお喋りというタイプではないが、口数が少ないながらもぼくのことを気にかけてくれている。まさに理想的な家族の形だと自分は思っている。

さーて..そろそろ寝るか..

また騒いで怒られるのも嫌だからなー。だけど、今夜は明日への興奮であまり寝付けなかった。


そして...いよいよ入学式が始まる。学校は家から近いという理由で高の原高校を選んだ。私立というところで公立よりはお金がかかってしまうが幸い家は平均よりも裕福な家庭で過ごしている。それぐらいは余裕があった。


「これがあしたから毎日通う学校かー!」


特別広いというわけでもない。設備が綺麗とかいうわけでもない。特に、他の高校と比べてここは違うというわけでもない至って一般の高校だ。

だが、いい。だからいい。これぞ普通って感じがして。

ぼくは一歩一歩噛みしめるようにして高校の校舎へ向かう。


「はい、じゃあとりあえず今日は終了な。あしたからよろしくな。」


担任の先生が終了をつげた。緊張して始業式がおわり、その後先生がいくつか話しをしてると今日の所はここで終わりらしい。

まぁ、早く友達できるといいなー。

そんなこと考えながら自分の席の椅子に座って、空を眺めていると、

「青藤くんだっけ?ちょっと来てくれない?」

誰かが話して来た。髪の毛は金色で背も高くいかにもヤンキーって感じの風貌の人が話かけてきた。

「う..うん!いいよ!」


少し怖かったけど逆らったら怖そうだし、なによりも友達を早くつくりたかったという気持ちもあってぼくはこの人についていくことにきめた。

「ちょっと、遠くに用があるんだけど..ついてきてくれない?」

「わかった!」

「あ、あと。おれの名前いってなかったな。西崎だ。西崎と呼んでくれ。」

「わかった!西崎くんだね!覚えたよ!」

「そいつはよかった。これからよろしくな」

「うん!」

ぼくたちは、廊下を歩きながら話し合う。よし、いい感じだ。もしかしたら友達になれるかも!

他にも、雑談のようなことを話していると、

「ついたぞ。ここだ」

そこは、生徒会室と書いた看板があるへやだった。まだ、学校の詳しい場所はわからないがおそらくここが生徒会室であることは見当がついた。

「えっ!?こんなに勝手にはいっていいの?ぼくたちまだ新入生だよ」

「いーんだよ。いいからはいろうぜ」

そういって、西崎くんは半ば強引に生徒会室のドアをあけた。

すると..そこには..

「ようこそ、ぼくの生徒会室へ。歓迎するよ青藤くん」

始業式で挨拶をしていた人だ。名前はたしか...

「ぼくの名前は尼崎遠矢だよ、以後よろしくね」

「は..はい...」

言われてしまった..まるでぼくが思っていたことを見透かしていたようだ。

「君のことは始業式のときに目をつけたよ。他にももう一人いるんだけど、君には才能がある。世界を憎める力がね」

「世界を憎める力..?」

どういうこと...?ぼくが世界を憎む。

「もう一人の子はいかにも世界を絶望しているような雰囲気を持つ子、君はいかにも世界を好きになりたい男なのさ」

「世界を..好きに..なりたい?ぼくはこの世界は好きですよ」

「いや、君は嫌いなはずさ。無理やり期待を持つことで世界から目を背けているだけだよそれは」

「え..どういう..」

「まぁ、詳しくはいわでもわかるようになるよ..ね?」

「そうですね」

今まで、黙っていた西崎くんがしゃべりだした。なにかさっきまでの雰囲気とは全然ちがう。蛇ににらまれた蛙の状態であったといっても過言ではない。

「え..西崎くん..どういう..」

「うっせーな。キモチビデブ」

グフっ! おれはいきなり西崎くんに腹を殴られた。

「え..どうして..」

「どうしても、こうしてもねーよ。だれがお前みたいなチビでデブで気持ち悪いやつに話しかけたいんだよ。遠矢さんがおまえをねらえっていってきたから仕方なく話しかけて案内しただけなんだよ」

今まで、たしかに怖そうな雰囲気はあったがこれまでは優しかった西崎くんがまるで豹変したかのように態度をかえた。たしかにおかしいとは思っていた。いきなり、ぼくの真逆ともいっていい性格の人がはなしかけたことに..だが、友達がほしいとおもってたぼくにはそんなこと考えることはできなかった。

「ぼくが個人的に君に会いたくてね。あっ..安心してね。ぼくは直接手をくださないから。だってそんなことで生徒会長クビになつわたらいやだからね。だから、変わりに西崎くんがいじめてくれるからね、はい拍手ーー」

そう、いいながら遠矢はパチパチと手を叩き始めた。

「狂ってる..狂ってる..告げ口してやる..生徒会長がこんなやつだって先生に言ってやる...」

これは、最終手段だ。あまり告げ口というやり方は好きではないがこの方法しかない。

「ははっ!いかにも根暗なデブが考えそうな発想だよね!!!でもさぁ..考えて見てよ..成績も上位、先生への評価は最高、生徒会長であるぼくと今日入ったきただけの君とどっちを信じるとおもうかい?さすがにぼくがいじめているところを目の前で見られるならいざしらず話だけでだれかそんなこと信じるんだい?君は本当に頭悪いねー!!」

そりゃそうだ。どっちのほうを信じるかなんてわかりきってることなんだ。

こいつは..本当の屑だ。狂ってやがる..

「に..西崎くん!君が悪いことになっちゃうんだよ!それでもいいの?」

おれは、標的を西崎くんに変えることにした。どう考えても西崎くんがいじめることなんておかしい..もしかしたらそんな事やるか!っていってくれることにかけて...だが..

「そんなこと覚悟の上だよ。」

西崎くんはきっぱりといった。一切迷いはないという口調だった。

「そりゃそうさ!西崎くんはぼくの奴隷!どう扱おうがぼくの勝手さ!」

「ど..奴隷?そんな人をそんな風に...おかしい..間違ってるよ!」

「間違ってるかなんて些細な問題だよ。実にどうでもいい、まぁそんなことはいい。明日から西崎がお世話になるね(笑)よろしくね(笑)」

こっから、ぼくの悪夢が始まったんだ..

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