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初対面


「だ..だれですか?」


青藤がおれに聞いてきた。そりゃそうだ。いきなり背丈や顔つきからは同級生っぽいが顔は全く知らない奴がいきなり引きこもりの自分の家に押しかけてきたのだ。そう思うのはわかる。

さて..どういったらいいものなのか..さすがにあなたの命頂戴にあがりました☆などと発したら即殺し合いになるだろう。

会長から言われてたしそれだけは避けたいんだよなぁ..

この間、10秒ほどだが向こうも不審に思ったのだろう。少し顔が引きつっていて疑う目になってきている。

これ以上の沈黙はいけない。なにか言わなくてはならない。ただし本当のことをいってはいけない..これは難しいな..

おれはさらに10秒ほど考えこんでようやく重い口を開いた。

「お..おれは..せ...そう!!正義の味方なんです!あなたが不登校になってるときいてなにか力になれないかな!とおもい馳せ参じました!」

う..うわぁーー。とっさにでたいいわけであったがさすがに自分でも言ったことを後悔した。

そりゃそうだ。正義の味方とか言われて信じる奴がいるわけがない..

向こうも10秒ほど沈黙している。お互い沈黙がつづいている。

おれは、顔を真っ赤にしながらただ早く帰ることだけを考えていた。

だが...

「せ..正義の味方なんですか!か..かっこいい!ぼくの悩みきいてくださいよ!」

え..えーーーー

向こうは完全に目を輝かせ、まさに子供の頃戦隊ものの特撮番組に憧れているのと完全に同じ目をしていた。

な..なんだこれ..なんだこれ...

「ささっ!ここじゃなんだしぼくの家に案内するよ!さぁ上がってください!ヒーローさん!」

だめだ..完全に信じ切っちゃってるよ

殺し合いをすることなく、しかも家に入れたのは大きな収穫だったのだがなにか大切なものを失った気がした。


そうか..おれは昔戦隊もののヒーローをこんな目で見ていたんだな..


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