ずっといっしょだよ 1
放課後。
僕は窓の外を見る。
「おい、隆哉」
と、僕の名前を呼ぶ声がする。
ふり返ると、翼だった。
「ああ、翼」
「お前、今日、暇か?」
「え? なんで?」
「なんで、って……いいだろう? 別に。友達と遊んだりするのに理由が必要なのか?」
「え? あ、ああ……」
翼は僕と遊びたいのか……
本来ならここで快諾すべきなんだろうけど……
「わ、悪い……今日は用事があってね……」
「なんだよ……釣れないなぁ……」
翼が眉間に皺と寄せる。
「ご、ごめんね」
「翼、きっと、隆哉君にとってそれは私達以上に優先すべき用事なんですよ」
と、いつの間にか後ろにいた澪がわざとらしくそう言った。
澪……余計なことを言わなくてもいいのに。
いや、というか、もしかして僕の今からしようとしていることを知っていてわざと……
って、さすがにそれはないか……
「……そうなのか?」
その言葉で、怪訝そうな顔で僕を見る翼。
僕は慌てて否定する。
「そ、そんなことじゃないよ……み、澪も変なこと言わないで」
「うふふ。ごめんなさい」
澪は小さく舌を出して謝った。
「じゃ、じゃあ、僕は行くよ。夢も、杏も、じゃあね」
その近くにいた夢と杏に手を振って僕はそのまま教室を出た。
危ない、危ない。できるなら四人には知られたくないのだ。
というか、知られると非常に面倒なことになる。
危険な行動なのだ。
でも、僕は行かなければいけない。
だって、約束したのだから。
僕が危険を冒してまで走って行ったのは、もちろん、あの場所だ。
荒れ果てた境内、延び放題の雑草。
僕はそのまま朽ちかけた鳥居をくぐった。
何度も来たはずなのに、なんだか酷く懐かしかった。
「神様……」
生き返ってから一ヶ月丁度。
それはつまり、本来なら僕が死ぬはずの日だったのだ。
もう死のループからはとっくに抜け出している。
でも、僕にとってはある意味では特別な日だ。
この特別の日になら、きっと「あの子」にまた会えるのではないか、と僕は漠然と考えていたのだ。




