僕の死んだ日 4
「はぁ……よかった」
僕は学校への帰り道。安心から独り言を呟いた。
「何がじゃ?」
と、神様の声。
「何、って、夢が元気になってくれたことだよ。明日からまた学校に来てくれるって言ってたし。もう大丈夫だよね?」
「……はぁ?」
と、神様の呆れきった声が聞こえてきた。
それと同時に神様の本体、白い髪の着物姿の少女が僕の前に現れた。
「何を言っておるのじゃ。お主はもう終わり。今回も、ダメだったようじゃな」
「……へ?」
「はぁ……まぁ、痛いのは一瞬じゃ。安心せい」
そう言うと神様は悲しそうな顔で僕を見る。
……何が?
意味がわからなかった。
神さまの言っていることの意味が。
終わり、って……僕が? 終わりっていうのは……まさか――
と、その時だった。
ズボンのポケットの携帯が振動する。
「ん? 誰だろう?」
携帯を取り出す。
「……へ?」
そして、携帯を見た瞬間、血の気が引いた。
メール着信150件。電話着信300件。
そして、今、また、着信があったのだ。
「な、なんだ……これ」
「鈍感すぎるお主にも言わんでもわかるじゃろ? 膨大な量のメールと着信、その送り主は誰か……」
「ま、まさか……」
と、携帯の着信が切れた。
僕は急いでメールの内容を見る。
「ひっ……!」
思わず携帯を手放してしまった。
全て送り主は、杏。
内容は全部一緒だった。
「嘘つき」という言葉の連打。
それが全部で150件。
「ど、どうなってんだよ……これ」
「だから、言ったじゃろう? 杏はハズレのカードじゃ、と」
「そ、そんなこと言ったって――」
と、顔を上げると既に神様はいなくなっていた。
その代わり、顔を上げた先にいたのは――
「そんなこと言ったって……どうしたの? た・か・や」
そこにいたのは、神様どころか、鬼だった。




