すべての終わり
これで最後です。
「落ち着いた?」
「うん…ありがとう…ごめん」
ルルーが泣き止んでもティアはルルーに抱きついたままだった。
「謝らないで…帰りましょう」
城に戻るといきなり会議が行われた。
「ティア、ルルー、アリアお疲れ様だった」
ルークはルルーの顔が暗いのに気が付いた。
「大丈夫かルルー?」
「あ、はい…大丈夫です」
そして会議が始まった。
「以上で報告を終わります」
そして大臣達が退出していき、部屋の中にはルルー、ティア、アリア、ルーク、ダルトの4人だけになった。
「ルルー…」
「ごめんなさいお父様…どうしても…止められなかったの…」
「ルルー、私は責めている訳じゃないよ。私はお前が無事で帰ってきて嬉しいんだ」
「ティアも無事でよかった」
「ご心配お掛けしてすいませんでした」
ティアとルークは笑い合った。
ルルーは決心した。
「ティア、貴方に話さなければならないことがあるの」
「え?」
「貴方の…絶望の力について」
「絶望の力は本当に世界を滅ぼしてしまうの、その力は…本来ならティアには宿らなかった……大昔、1回この世界は滅んだ、絶望の力のよって。
人間の力で今の世界があるわけなんだけど…はっきり言うと…その」
「早く言って」
「うぅ…ティアに絶望の力を宿らせたのは私なの!!ごめんなさい!!!」
「「「「は?」」」」
ルルー意外はみんな唖然とした。
「…どういう意味?」
「ええ~と…細かく言うと、私の前世がティアに絶望の力を宿らせたの」
「前世?」
ルルーは頷いた。
「私の前世は賢者だったの。絶望の力で世界が破滅しそうになった時、賢者は絶望の力を未来に飛ばした…そしてその力がティアに宿ってしまって…賢者が私の前世で…ごめんなさい!」
再びみんなは唖然とした。
「つまりは、力を飛ばした賢者が転生してルルーになった…そういうことね?」
「理解が早くて助かる」
途端、ルルーの口調が変化した。
「それが賢者の話し方ね」
「そうだ…絶望の力を汝に宿してしまったことを謝罪する、本当にすまない」
ルルーは腰を深く曲げた。
「いいのよ、世界が破滅するよりはマシだもの」
「許しをいただき感謝する……本当にありがとうティア」
ルルーが元の口調に戻った。
「あら、いつものルルーに戻ったのね」
「今はこの話し方のほうが楽だもん」
二人は笑い合った。
再び平和な日常が訪れた。
「わかんな~い」
「ルルー!いい加減にしなさ~い!」
「エレナちゃん、落ち着いてー」
魔法学校エルセント学園にも日常が戻った。ルルーが久しぶりに学園に行くとエレナとマリアからの質問攻めだった。
「ティア助けて~!!」
「え?」
ティアも無事に学園に復帰した。
「駄目よティア!ルルーを助けては駄目よ!!」
「エレナちゃ~ん!落ち着いて~!!」
「マリア!貴方も何か言って!!」
「え~?う~ん…駄目だよルルー?しっかりやろう?」
「うん!」
「ちょっと何なの!?この違いは!!」
エレナは机に伏せた。
「大丈夫?」
「ティア…ひどいわよね、あの子」
ティアはエレナの肩に手を置いた。
「大丈夫よ…ルルーは馬鹿だから」
「ひどい!!」
3人は笑った、ルルーもつられて笑った。
4人は外を見た。
「今日は天気がいいね」
「そうですわね」
「そうね」
「こんな時は昼寝を「駄目よ」…はい」
(これからはこの3人で良い思い出をたくさん作ろう)
ルルーはそう思いながら青空を見た。
―――4人の物語はまだ始まったばかり―――
これにて完結です。




