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悲しき罪の記憶

暗いです・・・

私の家は代々続く公爵家。父は陛下の側近で母はエルセント王国の中でただ一人の癒し魔法の使い手、私はそんな二人の娘…嫌ではなかった、父も母はとても優しいし使用人達とも仲がいいから。

でも…私には誰にも言ってはならない秘密がある。誰かに言ってしまったらどうなるのかが分からない。


その秘密とは……簡単に言ってしまえば人殺し。


当時私は5歳だった。あの日はすごくいいお天気だったから一人でお散歩に出かけたの、お散歩しながら花を摘んだり、草の上で寝転がったり…ウサギがいたから追いかけていたり。


その時だった。突然私の前に数人の男の人達が来たの、私は怖くなって逃げ出そうとした…けれど男の人が私の腕を掴んできて私は逃げられなかった。そして私は気を失った。

私が目を覚ました時は知らない部屋にいたの、外は暗くて夜だということが分かった。

男の人が来て私に食事を与えた。食事といってもご飯1杯だけ…すぐにお腹がすいたけど我慢するしかなかった。








何日かが過ぎた。その間も助けは何も来なかったし変わらない食事だった。ある日、私は勇気を出して食事を持ってくる男の人に話しかけた。男の人は少し驚いていたけど普通に話してくれた。

彼の名前はケイド・アネント、私を連れ去った集団の下っ端らしい。私が彼に聞いたところによると、私はある儀式の生贄にするらしい…何の儀式なのかは聞き出せなかったけど、いい情報を聞き出せた。


「生贄なんてなりたくない!早く家に帰らせて!!」そう私が彼に言っても彼は無理だと言う…。

私は絶望した、もう帰れない。



ついに儀式の日になったらしい。私は大きな地下室に連れて行かれた。地面には大きな魔方陣、あれで儀式をするのだろうと思った。

誰かが何かを言ったとたん魔方陣が光だした。

「邪神よ、この娘が生贄だ」

そう言われて私は魔方陣の中に入れられた。

『そなたが生贄か』

声が聞こえた、私の目の前には黒い何かがあった。声はそこから聞こえてくる。

『殺すには惜しいな』

私は恐怖で体が震えていた。



(早く殺すなら殺して!!例え死んでも私はお前達を呪ってやる!!)

私はそう思った。

『おぬしはいい感情を持っているな、おもしろい…存分にあやつらを殺すがいい』

その言葉を聴いた瞬間私は男の人達を殺した。

殺して殺して殺して殺して………





気が付いたら血の海だった。

「わ、私…私私私!!」

『思う存分にやったな娘よ』

「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」






『この娘はおもしろい、我はおぬしの感情の奥で密かに見ていようか…娘の運命を』







助けが来たのはその後だった。父と母は私の心の傷を癒してくれた…私には罪がある…。


私、ルルー・ダリア・ビレーシオは12人の誘拐犯を虐殺したという罪がある。


だから、ティア…ティアが大きな罪を抱えているように、私も大きな罪を抱えているんだよ?


私達はどこかが似ている…。






それにしても…





「ケイド・アネントは生きていたんだね」

ルルーはそう呟いた。隣にはアリアとティアが寝ていた。

「あの時に殺されていたと思っていたけど…」

ルルーは胸に手をあてた。そして思うのは自分の感情にいる邪神のこと…。

(ケイド・アネントと会った時、邪神が出ないように抑えないとね)

ルルーは空を見上げた。

「あの時もこんな天気だったな」

青空を見ながらルルーは笑った、そして…

『「ケイド・アネント、貴方には色々教えてもらったけど…貴方には消えてもらうよ?」』






そう言ったルルーの顔には邪神の表情も混じっていた。





(私も寝よう)

ルルーは目を閉じた。

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