嵐がやってきた
その日は良い天気だった。
ルルーはエレナ、マリア、そしてなんとティアと4人で今起きた事件について話ていた。
その事件とは…。
それは朝のホームルームの時間に起きた。それはいきなりルルー達の担任、リーナ・スフィク・ルイロスが言ったことだった。
「今日、国王陛下がこの学園に来られます。みなさん、国王の前では決して無礼な行動をしないでくださいね?」
まんべんな笑みを浮かべたリーナに教室中が固まった。そんな中ルルーがティアの顔を見てみると、ティアは目を細めて完璧に怒っていた。
それが事件だった。
「…なんかすっごくいきなりだね…」
マリアは庶民の出なので王族とは無縁、国王が来るということは一大事だった。
「マリアの言うとおりですわ、さすがにいきなりすぎよ!」
マリアとエレナで愚痴を言っている間、ルルーとティアは顔を見合わせていた。
「…いきなりどうしたんだろうね?」
「…私も知らない…なぜ急に…」
ティアも、ティアの過去を知っているルルーもなぜ国王がこの学園に来るのかが分からなかった。
そんな事を話しているとき担任のリーナがティアとルルーに近づいてきた。
「オルエールさん、学園長がお呼びになっているわ」
その言葉にティアの体が震えた。
「…はい、分かりました。…今行きます」
リーナは頷いて教室から出て行った。
ルルーはティアの顔を見た。
「ティア…」
「…大丈夫、きっと朝のことね、ルルー、そんな顔しないで?」
ティアはルルーの頭を撫でた。
「…分かった、何かあったらすぐに言ってね?」
ティアは力強く頷いた。そして「行ってくる」と言い、教室を出た。まだルルーは不安だったが大丈夫、大丈夫と思った。
「なんで呼ばれなのかなぁ?」
「さぁ?」
エレナとマリアはルルーを見た。
「さぁ…私も分からない…」
ルルーはそう答えておいた。
ティアは学園長室の前にいた。
(………)
そしてティアは静かに扉と叩いた。中から「入って」と短い返事がきたのでティアは「失礼します」と言い扉を開けた。そこには学園長の他、エリエルに『王子』でありティアの実の兄ユアンがいた。
「全員そろったね?」
学園長が3人を見た。そして頷き本題に入った。
「今日、皆さんに集まってもらったのはホームルームに各担任から聞いたことについてです。」
「学園長、どうして父上はいきなり学園に来るのですか。朝は何も言っていませんでした。」
ユアンは学園長に問う。ユアンは城の宮殿から直接学園に通っているので朝の食事も全員で食べている。ティアは離れで暮らしているため一緒に食事はしない。
「それは私にも分かりません…ただ行き成り学園に来る、という事になったんです。」
「ですが学園長、ユアン様もなにも分からなかったということは、国王自信の目的なのでは?」
エリエルも難しい顔をしている。
「そう…かもしれません。」
全員が沈黙していると、その沈黙を破ったのはさっきからずっと静かだったティアだった。
「…それで私たちは何をすればいいのですか?」
「あぁ、皆さんには学園内を案内してもらいたいのです…もちろん警護もかなて、ね。」
それには3人とも頷いた。だが、ティアはすぐに俯いた。
「ティア…」
エリエルもユアンもそんなティアも心配そうに見つめていた。
「ティア…大丈夫?」
ユアンは兄としてティアの心配していた。ティアは顔を上げ、少し悲しい笑顔を見せた。
「大丈夫です…ユアン兄様。」
学園長は満足げに
「では皆さん、よろしくお願いします」
そう言って万遍な笑みを浮かべた。
まんべんな笑み…
一応学園長は男です。




