↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

三題噺もどき5

バレー

作者: 狐彪
掲載日:2026/11/02

三題噺もどき―きゅうひゃくろくじゅう。

 




 体育館の中に、雨の音が響く。

 屋根に当たったその音は、必要以上に響いているような気がする。

 それをかき消すくらいの声量で話しているから、結構うるさい。

「……」

 今日の体育は、外での授業が想定されていたのだけど。

 生憎のこの雨で、急遽体育館にて行われている。

 私の嫌いな持久走の授業だったので、それがなくなったことに感謝している。

 なんで、この時期の体育って外を走らせるんだろう。

「……」

 まぁ、無くなったというか、次回の授業に持ち越しになっただけなんだけど。

 最近は天気が安定しないし、台風ができたり通り過ぎたりしているから、その次もその次もなくなってくれやしないかと思っている。

 誰が好き好んで、長距離なんて走りたいと思うか。ただでさえ寒いのに、その中で走る意味が分からない。どこの根性系だ。

「……」

 その内、体育館でも走ると言いそうだけど。

 今日はそんなに急ぐことはないと判断したのか、3年生は勉強でストレス溜まっているだろうからと思ったのか。まぁ、そのどちらでもないだろうけど。

「……はーい」

 私の目の前では、バレーの試合が繰り広げられている。

 この時間の前に浸かっていた2年生がバレーの授業だったらしく、そのまま流用したらしい。片づけはしないといけない感じですかねこれ。まぁ、設置するよりは楽だしいいか。

「……」

 体育館に、2コート分。

 女子と男子に分かれて行われている。

 普段は、別で授業を受けているが、雨では仕方なかったのだろう。

 一応、武道場的なのもあるけれど、他の学年が使っているのかもしれない。

「……」

 目の前で行われている、女子のバレーは。

 なんというか、平和のように見えて全く平和じゃなかったりする。

 こういうところ、女子って恐ろしいなと思うのだけど。

「……1点―」

 チーム編成は適当にしてくれというのは、あまりよろしくないと思う。

 かと言って、教師が口を出してもどうせこうなるかもしれないが。

 なんというか、一方的ないじめを見ている気持ちになるな。

「……」

 運動の得意不得意など気にせず。

 ただ彼女たちが一緒に遊びたい相手だけを選び。

 楽しいのか楽しくないのかよく分からない空気感のままで。

「……」

 こうなるのは分かってたと思うけどなぁ。

 男子の方が盛り上がっていて楽しそうだ。

 雨の音をかき消すような声量はあちらから上がっている。

「……」

 こっちはまぁ、傍から見れば平和だろう。

 教師は見ても居ないし。男子で精一杯かな。

 あっちの方が怪我をする確率は高いだろうから必然的にそうなるのか。

「……はーい」

 今更だが、私は休憩をしているわけではなく。

 単に体調が芳しくないので、点数を入れるだけの機械と化しているだけだ。

 教室で読書でもしていた方が有意義だと思うくらいには、無駄な時間を過ごしていると思っている。いっそ保健室に居た方がよかったな。

「……」

 先日、あまりにも頭痛が酷くて久しぶりに保健室に行ったのだけど。

 タイミングが悪かったのか、それともいつもああしているのか。

 堂々と某有名店のドーナツを食べていた。

「……」

 内緒にする代わりに1個だけ貰ったので、これは誰にも言っていない。

 普段は誰かが来る前に気づくんだけどな、と言っていたから他に知っている生徒や教師はいないんだろう。あの見た目で案外おちゃめなところがあるらしい。

「……はーい」

 また、1点入れたらしい。

 もうやめたらどうだろう。

 楽しいのかコレ。

「……」

 設置されている大きな時計を見る。

 もうそろそろ授業も終わりの時間だ。

 片づけの時間もあるんだから、早めに終わるとかしないかな。

 さっさとこの微妙な地獄を終わらせてくれ。











 お題:雨・ドーナツ・バレー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。