Neptune(9月14日〜15日)
雫星のお葬式は雫星が亡くなってから二日後に執り行われた。
それを雫星が亡くなった次の日に内海先生から聞き知ってはいたが、僕たちの誰一人としてその斎場へ向かうことはなかった。
僕はあれから自分の部屋にこもりきりだ。たまに母が声を掛けてはくれるが、強引に僕を部屋から引き摺り出すようなことはしない。
きっと理由も相まってだろうが、その行動は母らしくはないと思っていた。
雫星に会ってから、皆がらしくない行動を取っている。
きっと問題児だった僕たちに引きこもりなんて言葉はとてもじゃないけど似合わないだろう。でもそれさえも全てを変えてしまうほどに、僕たちにとっては大きすぎる存在にまで膨れ上がっていた。
絶対に欠けてはいけない存在だったのに……それを思い返し、また涙する。
今となっては為す術もなく受け入れるしか出来ないことに、人間とはここまでに無力なのかと思い知らされてもいた。
この二日間、雫星との思い出を思い出そうとしなくても四六時中頭の中を駆け巡っていた。
それは眩しいくらいの輝かしい光景と共に、同じだけの苦しみでしかなかった。
でもそんな時にふと思い出す。
『私が死んだ時、棺桶の中をみんなとの写真でいっぱいにして欲しいの』
これを叶えずに終わっていいのだろうか。悲しむことはきっとこれからの長い人生でいくらでもできるはずで、その価値は雫星の願いを放り出すまでに大きいのだろうか……。
考えがまとまらず、ただ時だけが流れていく。そんな時に突如鳴ったのは自分の携帯だった。
<雫星の願い、覚えてる……?>
開けば結月から一言そうメッセージが来ていた。
やはり幼馴染だけあってか、それとも嫌気が差した雫星の仕業なのか、おかげで僕の気持ちは一択に定まった。
<ありったけの写真を届けに行こう>
そのメール文と共に僕たちは最後の思い出を作るために動き出した。
まずは四人それぞれの携帯の中に入っていた思い出の写真を全て印刷するところから始まる。
大量の写真を全て印刷するには費用だけでなく時間も要し、僕らは一睡もせずに作業に没頭した。
そしてその写真の一つ一つに雫星との思い出が蘇り、溢れ出し止まらない涙と共に気付けば朝になっていた。




