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Uranus(7月24日)

「じゃあまずはこれだ!」

 そう言って宙斗の直感により選ばれたのは、どこと無く花火には見えないような気がしたため僕は一声掛けようとする。

「あっちょっ……」

 けどその間もなく宙斗が満面の笑みで点火した瞬間、猛烈な爆発音が辺りに響き渡った。宙斗たちはその爆発音によりそれがやっと爆竹であったことに気付いたのか、想像以上の音に僕を含め全員が慌て始めていた。

 だが一度点火されてしまった爆竹に有効手段などなく、僕たちはただその爆音が燃え尽きるまで待つしか無かった。

 やっとのことで全ての爆竹が燃え尽き、その頃には魂が抜けたように皆が立ち尽くしていた。

「やばっ」

 意識が戻ったかの如く目を見開きながら言った宙斗だったが、もしかすればこの公園を追い出されるリスクもあったかもしれない。

 幸い心配していた周囲の反応は偶然にも人通りが少なく、近所の小学生が数人公園の前を通り過ぎる際足早に逃げていったのには申し訳なくも感じたが、被害がそれくらいで済んだことに胸を撫で下ろしてもいた。

「まさかここまでの音だったとはビックリだわ」

 少し驚きつつも冷静にそう言った火ノ川だけは唯一中身が爆竹だと分かっていた上で強行に及んでいたようだ。

「こっちにしようぜ、もっと無難なやつ」

 さっきの爆竹の動揺がまだ隠せずにいる宙斗は、震える手で安全そうな花火を掴んでいた。けれどこのペースだといつまで掛かることやら。そう思った僕もその流れに便乗して宙斗と共に点火役を引き受けることにした。

「そうだな。とりあえず量もあるし、早くやっていこ」


 気付けば少しずつ辺りは暗くなり、それでも半分にも満たない花火の量。

「まだまだ楽しめるぞ!」「「おー!」」

 宙斗の一声に結月と雫星はノリノリだった。

「あっそうだ!私したいことがあったの!」

 すると結月は自分のスマホで写真を撮り始めようとする。

「雫星、そこに立ってこういう風に動かしてくれない?」

 自分の手に持つ花火を動かし雫星に説明するが、それの意味は分からず雫星は言われた通りに不思議そうに動かしていた。

 次に結月は僕たちにも同じ指示を出し、言われた通りに四人全員が繰り返す。

「それじゃあ私も」

 そう言って撮影を火ノ川に任せ、最後は結月も楽しそうに不思議な行動を写真に収めていた。

「おっけー!」

 手元に返って来たスマホの写真を確認しながら言うと、結月は嬉しそうに僕たちに告げる。

「これを帰って編集すれば、とっておきのが出来るはずだから!」

 僕たちはよく分からないまま、出来たら送るという結月の言葉でとりあえずは待ってみることにした。

 その後も大量の花火を消費する時間をただ只管に繰り返しているうち、最初はまだ楽しめていた時間が、僕だけでなく全員の顔色を疲労感へと変えていきつつあった。

「まだ終わらないの?」

 終いには火ノ川がそんなことを言い始めたため、僕は逆ギレ気味に一言申す。

「だから多いんじゃないかって言ったんだよ!」

 僕がそう言うと、火ノ川はいじけた顔をして言う。

「私じゃない、宙斗が言い出しっぺだから!」

 そんな遣り取りを挟みつつも、最後に近付くに連れ違う意味での感動の色も見え始めていた。

「よし!最後の一本!」

 それを僕たちはせっかくだからと雫星に託した。

 そしてゆっくりその火が消えていくのを皆で見守り、消えた時には皆が解放感で満ち溢れていた。

「終わったー!」

 そして時計を見れば、案の定明日が朝番であることを地獄に感じさせる時刻を指している。

「よし、帰るぞ!」

 僕はそう言って感動の余韻を楽しむことなく、皆を急かしてクタクタになりながら何とか家まで辿り着いた。

 家に着き、脱力感のままベッドへと倒れ込む。その時通知音が聞こえ、僕は横になったままスマホ画面を確認する。

 するとそこには結月から写真が送られてきていた。

 送られて来た写真は計五枚あり、その写真を一枚一枚繋ぎ合わせるとLOVE♡と花火の光で描かれているのが分かる。

 そして写真と共に結月からのメッセージにはみんなの気持ちと一言文が添えていた。それがどういう意味なのか分からなかったが、顔も見えない中で敢えて聞こうとも思わなかった。それに多分、僕の中で嫌な感じもしなかったからだろう。

 そんな写真を見ていたら、僕は花火の前に雫星が話していた日付ことを思い出していた。

 今でもムッとしていた雫星の顔を思い出すと少し笑ってしまうが、その時の顔に少し申し訳なさも感じた僕は、一応カレンダーアプリを開き言われた日に記入しておくことにした。

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