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Uranus(4月1日)

 公園に着くと、普段なら閑散としている公園には僕たちと同じく桜目当ての人で溢れていた。

 ただ僕が知っている場所は穴場スポットでもあるため、空いている一縷の望みをかけてその場所へと皆を案内する。

 その道中で、宙斗や火ノ川たちと共に先頭を歩いていた僕の背後からわざとらしくも聞こえるような咳払いが聞こえる。

 僕は多少気になって後ろを振り返ると、嬉しそうにこちらを見ながら咳払いをしている結月の姿があった。

 意味深なその姿が気にはなったが、それ以上に隣を歩く雫星の髪についていた桜の花弁の方が気になった。

「ついてる」

 僕は一言そう言うと、雫星の反応を待たずして取り、それを証明するかのように雫星に渡した。

「ありがとう……」

 雫星はどこかぎこちなくそう言っていたが、考えればあの告白からまだ数ヶ月しか経っていない。

 いくら平然を装っているとはいえ、ふとした時に気まずさが過るのは無理もないだろうと思った。

 どことなく移ってしまった気まずさと共に再び歩き出すと、背後からまた何か聞こえる。

「あれ?結月もついてるよ?」

 今度はそんな雫星の声に振り返る。見ればさっきの雫星同様、結月の髪にもついている。

 僕は呆れる気持ちと若干の照れ隠しで、ため息混じりにそれも素早く取ってあげるが、下を向いたままの結月からお礼を言われることはなかった。

 けど気にすることもなく一番先頭に戻り歩き出すと、今度は急にスキップをしながら先頭の僕たちを抜かした雫星がテンション高めに言った。

「ほらほら!早くしないと良い席は取られちゃうよー!」

 そんな雫星らしいともらしくないとも取れる行動に、一瞬の違和感は抱きつつも、間違ってはないと気持ちさっきよりも歩く速度を速めた僕たちは、目的地である花見スポットへとまた歩き出していた。

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