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Mars(6月23日)

「陽、おはよう!」

 一夜明けた次の日の朝、結月の様子が昨日までの空元気ではなくなっていたような気がした。

 その理由が昨日のことを通して雫星との距離を縮めれたことにあるならと、僕はそれに安心し、嬉しい変化だと思った。

 今日も放課後になれば雫星が来る。今日からはそれを僕以外の三人も楽しみにしてくれていることが、僕にとっては何よりも嬉しい変化だった。




 雫星と五人で会うようになってから三日目。雫星は楽しそうに談笑している僕たちを見ながらそのことを聞いた。

「みんなはいつから友達なの?」

 その質問に、僕たちは互いに顔を見合わせる。

「そういえば僕たちのこと、まだ雫星に説明していなかったね」

 雫星に説明していたのがそれぞれの名前くらいだったことを思い出し、改めて僕たち四人の関係性を説明することにした。

「まず僕と結月は小学校の頃からの幼馴染で……」

「出会って今で十年目になるの!」

 僕が説明を始めると、すぐに結月が横入りで参加する。

「それで……」

 若干それに出鼻を挫かれた僕は、しょうがなく次に宙斗の説明を始めることにする。

「僕と宙斗は中三の時に初めて同じクラスになって。まだその時は今ほどよく話してたわけじゃなかったけど……」

「まさかこんなに仲良くなるとはだよな!」

 そう言って次は勢いよく僕の肩に手を置きながら宙斗が横入りする。

「うん……

それから、火ノ川と僕は今年から初めて同じクラスになったんだけど……」

「私は結月と元々仲が良かったから、その関係ですぐに打ち解けたってわけ」

「です……」

 見事に全員から横入りされ、立場を奪われた僕は最後に一言だけ付け加えることしかできず、一通り自分の口から説明したかったが、合間にそれぞれが自分の紹介に参加するがためにペースを乱されるばかりだった。

「ちなみに、私と流和は高一の時に同じクラスになってから仲良くなったの!

その時は宙斗も同じクラスでね、高一の夏休みの時から流和と宙斗は……」

 結月が皆まで言わずとも、さすがは女子と言うべきなのか、雫星は頬を真っ赤に染めながら口に手を当て、驚きと共にその二人を交互に繰り返し見ていた。

 見られた二人も、恥ずかしそうにそれぞれが反対の壁の方へと視線を向けていたが、そんなのはお構いなしで結月の話は続いていく。

「今年は四人全員が同じクラスになって、いつメンの四人になってたんだけど……

今はそこに雫星も加わったから、五人でいつメンだね!」

 それは結月だけではなく、わざわざ口に出さずとも全員が同じことを思っていた。

 そして雫星が嬉しそうに頷いたのを見て、これからはこの説明の続きに雫星という人が加わることを、心から楽しみにしていた。

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