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Mars(6月22日)

 五人の間にあった蟠りが解け、僕は数日ぶりに雫星を学校へと誘った。

 雫星はあんなことがあった学校にも関わらず、謝罪の甲斐もあってかその学校にまた来たいと言ってくれた。

 そして雫星が来ると決まった日の昼休み、それはまたいつも通りの日常に戻り、四人で一つの机を囲みながらお弁当を片手に何気なく過ごしていた。

 ただそう思っているのは僕だけだったのか、今日はやけに結月からの視線が気になり、僕は気まずくも感じるその視線から何度か目を逸らしていた。

 しばらくしてその険しい視線はそのままに、結月が僕に質問を投げ掛ける。

「それで?雫星と放課後に何をしていたの?」

 どうしてそんな言い方で聞かれなければならないのか、僕は何か疑われているような気持ちになりがっかりした。

「何をしていたって、それは既に全部話したはずなんだけど……」

 僕に何の話を期待しているのか、終わった話を蒸し返してくる結月が理解できない上、真髄が読めない質問は気疲れするものだった。

「確かにね。

授業をして食堂に行ったり、学校を何日にも渡って案内していたりっていうのは聞いたよ。それで?」

 結月からの真髄が読めない質問に、火ノ川までもが加わる。

「それでって?」

 だからと言って火ノ川の質問でさえも僕には分かるはずはない。

「まさか本当にそれだけなの?

例えばほら、食堂に行って何かしてたでしょ?」

 どうしてか結月の険しい視線は動揺したような視線に変わり、質問だけは続いていく。

「え?別に……」

 そう言って僕は忘れそうになっていたその日の記憶を一つ一つ思い返してみる。

「自販機のパンを食べて、アイスを食べて……それくらいだけど。」

「なら授業も真面目に授業だけして、学校もただ歩いてただけって言うの?」

 うんとは言ってはいけなさそうなその問いに、僕は言葉を失ってしまう。

「雫星もよく喜んでくれてたよね。」

 それに対して返って来たのは、結月からの深い溜め息と、火ノ川からの嘲笑うような一言だった。

「陽、それはダメだな」

 さらには宙斗までにも同じ調子で言われる始末。けど三人が一体何を言いたいのかを僕には未だに分かってはいなかった。

 そんな僕に、三人は示し合わせたように言う。

「せっかく学校に来てくれるんだから、本当の学校の楽しさを私たちが教えないとでしょ?」

 何故かやる気に満ち溢れているように見えた結月の言葉と共に昼休みが終わり、一体何をする気なのかと思いつつ、あっという間に数時間は経ってしまった。

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