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クイシャの国にて

クイシャはキーザ村よりもはるかに大きく発展している国であった。国の周辺は大きく硬いブロックがいくつも積み上がっており、周辺に生えている木よりもはるかに高く、光太の全力のジャンプでも届かないほどだった。国は賑わいを見せており、多くの人々が行き交う。露店が立ち並び、人々は笑顔で談笑。馬車も多く走っている。入口には重そうな鎧を着た恰幅のいい門番が立っていた。入口には国に入る手続きのたに長い列ができていた。列の中にはお年寄りから赤子を抱いた母親などの老若男女、商業用の荷物を載せた馬車、また鎧やマント、剣や杖など様々な格好の冒険者であろう人たちも文句を言いながら並んでいた。

光太もその列に並んだ。3人の冒険者パーティーの後ろに並んだ。見るからに若い3人は男の剣士と魔法使いが男女2人のようで会話をしている。

剣士の男は屈強な肉体で鎧から筋肉がはみ出るかのようで腰の横に大きな剣を刺していた。男の魔法使いは猫背気味で体は決して大きくはなくつばの大きな帽子をかぶりマントを羽織って杖を持っていた。女の魔法使いも同様、帽子とマントに杖と言った魔法使い特有の姿をしていた。その女の魔法使いが

「この国はあの伝説の勇者が生まれた国なんでしょ?」

と男の魔法使いに確認していた。男の魔法使いは

「そうですよ。この国はもともと小さな町だったんです。近くにキーザ村という村があるのですが、その村よりの少し大きいだけの村だったんです。それが、数百年前にこの小さな町に勇者様が生まれて魔王を倒してからというもの、この町は世界から認められ、多くの人々が行きかうようになり国はどんどん大きくなり、今や西部で一番大きな国になったのです。なんでも中には勇者様の像も建てられているとか。早く見てみたいですね。この国の王は勇者様の末裔らしいのです。」

と自慢げに話していた。女の魔法使いは興奮気味に

「すごいね。私も早く見てみたい。勇者の末裔にあってみたいなぁ。」

などと話している。そこに剣士が割って入る。

「俺は王様に勇者の末裔に認めてもらうためにここに来た。お前ら俺の足を引っ張るんじゃねえぞ。」

と上からモノを言ってふんぞり返っていた。二人の魔法使いは不機嫌な顔になり黙った。剣士の男が後ろを振り向き光太に話かけてきた。

「兄ちゃんはどっから来たんだ?なんも持たずに。」

と来れたので、びっくりした光太は慌てて

「キーザ村から来ました。」

と言った。すると冒険者の3人は驚いて光太をまじまじと見まわした。男の魔法使いが、

「キーザ村って、一か月ほど前に魔物に襲われて村が壊滅したって聞きましたけど…。」

と聞かれたので、光太は

「たまたまほかの村に荷物を届けに行っていて、戻ったころには誰もいませんでした。」

と、噓をついた。

「へぇ~、兄ちゃん運がよかったんだな。で、何も持たずに何しに来たんだ?」

とさらに追及されたので、光太は

「荷物はありますよ。」

と言って、収納袋を手に取って3人に見せた。すると

「これじゃ、何にも入らねーじゃねーか!」

と3人とも笑っているので、光太は

「ちゃんと中に入ってますよ」

と、袋の中から次々とものを出して見せた。食品、食器、衣服に布団まで。この光景を目にした3人は目を丸くした。男の魔法使いが

「そんな国法的なものをどこで手に入れたんですか!?そんなものがこの世界に存在していたなんて。」

と聞かれたので、

「それはちょっと言えません。」

と言いながら、急いで出したものを袋に入れていた。

「自分は魔法の勉強をしたくてこの国に来ました。」

と言っても、3人は袋に目が行き、光太の話は入っていないようだった。

剣士が

「兄ちゃん名前は?」

と聞かれたので

「光太と言います。」

と答えると剣士から

「俺はバーゴー。よろしくな、“コータ”。」

続けて男の魔法使いが

「僕はティーコ。よろしくお願いします。」

女の魔法使いが

「私はキャツミーよろしくね」

と自己紹介された光太は

「よろしくお願いします。」

と言って頭を下げた。

などと話していると3人組のパーティーが国に入り、光太の順番が回ってきた。門番に

「許可証をだせ。」

と言われたが、光太はそんなものを持っていなかった。

「すみませんそのようなものは持っていません。」

と答えると、門番は

「では、この国に入ることはできない。」

と追い返してきた。その光景を見ていたバーゴーが門番に耳打ちを始めた。すると、門番はバーゴーの顔を確認すると、今度は光太の顔を確認すると

「特別に入門を許可する」

と言って光太を国の中に入れた。訳が分からない光太はバーゴーに

「門番に何か言ってくれましたか?」

と聞く光太に対し、

「俺の弟だと言っただけだ。」

とバーゴーが打ち明けた。光太は

「ありがとうございます。」

と感謝を述べ

「ぜひ食事でもおごらせてください。」

と言うと、バーゴーは

「そいつはありがたい。」

と言って3人は喜んでいた。

光太と3人はそれぞれ宿泊場所を探すことにした。4人は同じ宿泊所に泊まることになった。光太が店主に

「宿泊は一泊いくらですか?」

と確認すると、店主は

「一泊、銅貨3枚、一週間だと銅貨20枚もしくは銀貨2枚だよ。」

と言われたので、光太は

「すみません。一度、銀貨を見せてもらってもいいですか?」

と尋ねてみた。店主は不思議に思いながら、1枚の銀貨を出して見せた。

「これだよ。銀貨。」

銀貨を確認した光太は

「ありがとうございます。」

と言うと収納袋から銀貨を2枚出して店主に渡した。光太は3人に向かって

「一旦部屋で休憩して夕方待ち合わせして食事にしませんか?」

と尋ねてみた。3人は承諾してそれぞれが部屋に入っていった。夕飯まで思い思いの時間を過ごした4人。光太はこの間に銀貨が何枚入っているのか確認してみた。銀貨は98枚入っていた。

「銅貨が100枚、銀貨が100枚入っていた言うことは、金貨も100枚入っているのかな。」

などと考えながら夕食の時間を待った。

夕方、宿の表で集合した4人は、近くのレストランで夕食をとることにした。夕食を食べながら、バーゴーが光太に尋ねた。

「コータは何をしにこの国に来たんだ。俺は冒険者として腕を上げて、ここの王様に認めてもらって、警備兵になるために来た。」

と言うと、ティーコは、

「僕は、腕を上げて、ここで魔法の研究をしたい。」

キャツミーは、

「私は悠々自適に暮らせればそれでいい。冒険者として拍が付けばのんびり暮らせるからね。」

と3人の目標をそれぞれ聞いたところで光太は

「自分は魔法を覚えたくてこの国に来ました。」

と言うと、ティーコは、

「確かにそれならこの国はぴったりですよ。」

と興奮気味に話し出した。

「この国は伝説の勇者様が生まれた地です。勇者様が使っていたとされる基本的な魔法からめったにお目にかかることのできない光魔法や闇魔法まで学ぶことができるとされています。光魔法や闇魔法は覚えても使うことができること自体稀ですが、学ぶには最適だと思います。国の図書館にはありとあらゆる書物が置いてありますし、勇者様が建てたという学校なんかもあります。ここの卒業生は優秀な人たちばかり。称号を持つ人まで現れるらしいですよ。憧れますよね。いいなぁ、称号。」

と早口で話した。光太もうなずきながら話を聞きます。

「図書館は自由に使ってもいいのでしょうか?」

とティーコに聞くと、

「旅人や他の国や村から来た人は図書館に入ることはできません。利用できるのはこの国の人のみとなりますから。」

その回答に残念がる光太であったが、ティーコは続けて説明した。

「旅人や他から来た人が見る方法はありますよ。その方法は2つ。1つ目はここの学校に入って卒業すること。2つ目はギルドに入ってDランク以上のクエストをクリアすることです。いずれかを満たすことで図書館への入館を認められます。」

それを聞いた光太は、

「どうすれば学校に入れますか?」

と尋ねると、

「毎年行われる入学試験を受けて合格すると、晴れて入学です。入学試験はちょうど今頃だった気がします。」

光太は続けて、

「ギルドに入る方法は?」

と尋ねられるとティーコは、

「ギルドは登録するだけで大丈夫です。後はランクに応じてクエストをこなしそのランクを上げていくだけです。」

その説明を聞いた光太は、

「ギルドに登録した方が簡単そうですね。ありがとうございます。教えていただいて。」

と言って頭を下げた。光太に学校という選択肢はなかった。学校には嫌な思いでしかなく再びあの空気に入り込むことを拒んでいた。

夕食も終わり貴重な話を聞いた光太は3人に改めてお礼を言うと自分の部屋へと戻っていった。そして早速、翌日ギルド登録することを決め光太は眠りについた。



ここは王宮内。

警備兵の一名が膝をつき頭を下げ、

「王様に取り急ぎ話したいことがある。と言うものが来ておりますが、通してもよろしいでしょうか?」

ソファーに座り、両脇に妖艶な女性をはべられて、テーブルには山盛りの果物とお酒が並べられており、そのお酒を飲んでいる男に確認をとっていた。すると男は、女性の腰に手をまわし

「今、お楽しみ中なんだが、くだらねえ話だとお前も罰を受けてもらうからな。」

と言って警備兵を威圧しています。警備兵はびくびくしながら手に持っていたものをその男に差し出したのでした。するとその男は、

「ほお、話を聞こう。」

と言うと警備兵から取り上げた。


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