5匹 あれ?
ちゅんちゅんっ!
「ぅ・・・?」
夏流は、スズメの鳴き声で目を覚ました。
夏流は自分の部屋のベッドで、あたたかいパジャマを着ていて、おまけに額には冷たいタオルがのっていた。
昨日は・・・あれ?
夏流は、自分が今にいたるまでのことを必死に思い出す。
・・・・・・・。
「ぅおおわぁあぁああ!!!!???」
なんであたし着替えてるの!?
なんで熱下がってるの!?
なんでベッドで寝てるのよ!!??
やっと理解し、夏流はタオルを取って握り、あわてて体を起こした。
そのとき夏流は、驚くべき光景を目にする。
「・・・え?」
部屋が散らかっていた。
散らかりまくっていた。
「なにこれえええええ!!!!!?????」
足の踏み場がかろうじてあるくらい。
まるで、泥棒にあらされたようだ。
夏流は、これを片付けるのかと思うと頭が痛くなった。
そして、またも頭痛の種を見つけてしまう。
「・・・!あのおおかみは!??」
夏流はベッドから降りた。
そのとき。
「え?」
胸が跳ねたような気がした。
夏流は、服の中を覗き込む。
下着をみにつけていなかった。
「なっ、なっ、なっ、なっ・・・!?」
夏流は青ざめた顔で、もう一方も確認する。
「・・・よかった~・・・・」
一応パンツははいていた。
夏流は、居間に向かう。
やはり、どこもかしこもいろんなものが散らばっていた。
「一体この家に何があったの・・・?」
居間に行く途中で、台所を通る。
やはりここも・・・
「あれ?なんでだろ」
散らばっていなかった。
その代わりに、ご飯が炊いてある。
炊飯器を開けると、お米のいい匂いがする温かい湯気が出てきた。
「誰か食べたのかな・・・?」
中身は、半分なくなり半分残っていた。
不思議に思いながらも夏流は居間を目指す。
「うわー・・・ひっど」
どうやったらここまで散らばるのだろう。
夏流は少し泣きそうになりながらも、居間についた。
そこも、散らばっていたのだが。
「なんか座るスペースだけあるし・・・って、なぜにおにぎりまで?」
一人座れるくらいのスペースが作られており、テーブルにはラップがかけられたおにぎりがおいてあった。
「これ、食べちゃっていいのかな?」
実は夏流。
おなかがすいていたのだった。
「・・・っぷう。おいしかった」
夏流はそのおにぎりをあっという間に食べ終えた。
そのおにぎりは塩加減ばっちりで、“おふくろの味”という感じがした。
「でも、一体誰が・・・・?」
夏流は、不意に時計を見た。
8時20分。
学校。
「がっこーーーーーーーーっっ!!!!!??????」
・・・・夏流は、学校を休むことにした。