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4匹 こりゃ風邪だわw
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
今、何時くらいだろう。
空には星が煌いている。
このおおかみは、なんだ?
あたしはおおかみに連れ去られてしまうのか?
はっきり言って、とても怖かった。
だって、全然知らない人に、あんな・・・・!
「・・うっ・・・ぅ」
つい気持ち悪くなって声を漏らしてしまった。
「・・・どうした?」
おおかみでも、心配はしてくれたようだ。
夏流は「なんでもない」と小さく言った。
まず、全部はっきりさせるのは家に帰ってからにしよう。
それまで、大人しくしていよう。
夏流は頑張るのだった。
――実は夏流。
男の人が大の苦手なのである。
「神社の主っつーことは、ここに住んでんだよな?」
おおかみが立ち止まって言った。
家についたのか?
「ん・・・」
もう声を出す元気もなかった。
体が熱い。ぼーっとして、視界がはっきりしない。
こりゃ風邪かなぁ・・・?
ずっとびしょ濡れの服を着ていたのだ。
きっと風邪だろう。
一人で納得して、夏流は眠りに落ちてしまった。
自分が、おおかみに身を預けていることも忘れて・・・。