2匹 なんで開けちゃったんだろう
ザーーーッ!!
「うぁ~!もう!!めんどくさい!!!なんで大雨なのよーー!!!?」
空は青く、星がきらめいている。
そのときあたしは大雨の中、双葉神社へと走っていた。
あのあと、もえぎと一緒に神社の掃き掃除をしたのだが・・・・・。
「お賽銭箱しまわなきゃ濡れちゃうじゃないのーーーっ!?」
お賽銭箱を神社の屋根の下に置いていなかったのだった。
走っているため、傘をさしても雨に当たってしまっていたので、服は重くびしょびしょ。
もう、巫女にはうんざりしていた。
・・・夏流の傍にいてくれた唯一の身内の祖母は、1年前他界した。
親は離婚し、父に引き取られたはいいが、神社にはたいしたお金は入らず。
出稼ぎに出ている父は、滅多に家に帰ってこない。
月に一度、生活に困らない程度の額のお金を振り込んでくれるだけの父。
家には、夏流だけ。
まだ親が離婚していなかったころからの、近所の兄ちゃんがちょくちょく顔をだしてくれるくらい。
「・・・もう、やだよ・・・」
夏流を支えてくれているのは、学校や友達。
家にいたって、あいさつをする相手もいなければ、「おかえり」という相手もいない。
「ただいま」という言葉を最後に使ったのは、いつだろう。
雨の中、夏流は立ち止まった。
「・・・・あれ?」
気付いた途端、背中に寒気が走った。
――神社の中に、何かいる!?
「ど、どうしよう・・・!?」
あそこには、この双葉神社の神様がまつってあり、お供え物も置いてある。
いわば、ここの神様の家だ。
そんな神聖な場所に、土足で踏み込んだ何かがいる。
この神社の主として、ここはなんなのか確認せねば!
正直怖いが。
夏流は、濡れて重たい靴を必死に動かす。
・・・人か、それともただの のら猫か。
かわいいのら猫ちゃんでありますようにっ――!!
夏流は、一気に戸をあけた。
どうも、たかまきです^^
話しの数え方「匹」ですが、54話までいったら「54匹」ですか・・・ww
大変ですね!!