表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/14

10匹    負けたのは


「あんた、何言ってんの?」


「・・・神様だ」


「頭大丈夫?」


「・・・神様だ」


「あのね、冗談もほどほどにしてくれないと、困るのよ?」


「か・み・さ・ま・だ☆」


「あたしのうちの神様は、そんなにキモくないわ?」


「だぁああああ!!!うっせぇなぁ!!神様だっつってんだろ!!?素直に信じろ!!」


「怒鳴ってもダメよ。何か証拠でもあるの?」



あたしは、自ら神様と名乗るおおかみを信じられなかった。


こんなのがあたしの神様なんて許せない。ありあない。


証拠でも見せろって感じなのよ。


そう思っておおかみにそういうと、おおかみはにくたらしく笑った。


「はっ・・・!証拠か?いいぜ。ぜってーお前を信じさせてやる」


「やれるもんならやってみなさい!誰があんたを信じるのよ?」


「お前だよ。決定的な証拠をつきつけてやる!」



にしても、このおおかみはどうしてこう子供なの?


「年上とは思えない!」


夏流がいやみったらしく言うと、おおかみはにやりと笑ってある呪文・・・・を唱えた。





「83 54 85」




「!!??」


夏流は反射的に自分の体を抱きしめた。

みるみるうちに顔が赤くなっていく。

そのざまを見たおおかみは、心底うれしそうに不敵な笑みを浮かべる。



「どうだ?なんで知ってんだって感じだろ。神様はおみとうしなんだよ!!」


「くっ・・・!」




その呪文は、夏流のスリーサイズ(・・・・・・・・・)だった。




「な、なんであんたが知って・・・・・!?」


「だーから!俺神様なんだって。てか別にいいだろ。結構イイ体してんじゃねえの?」


「な・・・!!?」



夏流はそのストレートな言葉に、歯を食いしばることしかできなかった。


でも、誰が信じてやるもんか!!!


「へぇ・・・まだ信じねぇつもりなんだ?じゃあ、今までお前に告ってくたやつの名前、フルネームで言ってやろうか?」


「やっ、やめてよ!!!」



実は、夏流は意外とモテる。

そこまでひんぱんに告白されているわけではいが、夏流に恋心を抱いている男子はそう少なくはないだろう。




『モテる』といえば、きっと同じクラスの玖堂琶月のことをいうのだろう。




琶月はホントにかわいい。

男女かまわずモテモテで、夏流も琶月のことは嫌いじゃない。


おっとりしていて一緒にいると和む。

発育のいい完全的なボディは、はっきりいってうらやましい。

そしてとても優しく、頭もいいし運動神経抜群。

そのうえ、一部の女子から人気があるかわいい弟もいて・・・。



・・・なんだ。

なぜあたしは、琶月の魅力を語っていたのだろうか。

そこも彼女のすごいところだと思う。



さて、話しに戻ろう。

あたしはおおかみを、キッと睨んだ。




「なんか今、すっげぇ上の空だったな・・・まそれは置いといて。お前は俺を神様だと認めるしかないぜ?」


「い・や!」


「えーと、ふ」


「ごめんなさい!!!!」



結局あたしは、その神様(・・)をつれて家に帰ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ