新たなる死
「はぁー、やっとドロップしたよ。」
PCの画面を眺めながら肩を回す。
画面にはドロップ結果を示す表が流れている。
これは今ディープなオタクに話題のコレクターのコレクターによるコレクターのためのゲームなんて言われている『コレクト魂』という名前のゲームだ。
ガチャをメインにしたゲーム性ながら、月額制にすることでガチャに対する課金要素を徹底的に排除し、金がないからガチャを引けないということを極限にまで無くした作品だ。
内容は様々な種類の魔物を倒して、魔物がドロップするモンスターズコインを手に入れる。
それを使ってガチャを引き装備やアイテム、はたまたスキルやステータスなどを手に入れて、自分好みにカスタマイズすること。
魔物ごとにガチャの内容が違い、自らの好みにあったガチャを引くも良し、環境に合わせた装備を整えるも良し、貪欲に全てを求めるも良しと様々なニーズに合わせた満足度の高いゲームで人気を博している。
そして今現在何をしているかと言うと、難易度が高すぎて常設となった『死の権化デスを討伐して、世界を救え』イベントの真っ最中であった。
この死の権化デスは、HP極振りにしていればそこまで強くない。
問題は、モンスターズコインの出現率の低さにあった。
なんとドロップ率脅威の0.001%
しかもドロップ率増加の影響を一切受けない。
誰が落とせるんだと批判が殺到したが、運営の対応は1枚でガチャを1回引けたデスガチャが、1枚で10連出来るようになっただけだった。
「なんで、ドロップ率は頑なに変えないんだよ。」
デスガチャは公式からガチャ内容が発表されておらず、有志のまとめでも基本的には即死や蘇生関連のものが出てきやすいとしているだけで他のガチャより少し性能がいい物が出てくるだけなのに工程がキツすぎて常設になった時にほぼ誰も回さなくなった悲しいガチャだった。
「ふぅ、初ガチャ緊張するなぁ。」
0時引き…それは迷信でありながら絶対なる信者を擁する聖なる儀式。
「行くぞ…UR出てこいや!」
デスガチャのポイントである死の泉にデスのモンスターズコインが吸い込まれてゆく。
オオオオオオオオオオオオオオオン
怨嗟の声が響き、霊魂のエフェクトが散っていく。
「演出わかんねーなこれ。」
次々と霊魂のエフェクトと共にアイテムが出現していく。
そして最後のひとつになった時、死神のようなエフェクトが現れ、ガチャのアイテムを斬り裂いて新たなアイテムが出てくる。
「お?お?お?来ただろこれ!wekeにもこんな演出なかったし!」
最後のアイテムが出るとガチャ結果が展開される。
【R再生の肉塊 R無限火種 SR殺戮人形〈ルナティック〉R漆黒のメイド服 R血吸いの短剣 SSR魂狩りの宝玉 R漆黒のショーツ R死の足音 R生命の宝珠 UR新たなる死】
「URキター!!!えーと消費アイテムか。」
【UR】新たなる死
この死は終わりではない。新たなる始まりのための死である。
「何言ってっか分かんないけど、早速使っちゃおー。ぐへへ。」
Yes or No
「イエスに決まってるよなぁ!」
迷わずYesを押すと、画面から光が漏れだし当たりを白く染めてゆく。
「え?何こr…」
呆然とする俺の視界は瞬く間に白く染ってしまった。