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宇宙消滅

作者: 岸亜里沙


太陽系が滅んで暫くした頃、

生物たちは宇宙という巨大な空間に進出していました。

酸素を必要とせず、熱や冷気にも特化、

放射線にも耐えうるように進化し、

惑星という狭い檻の重力からも解き放たれた生物たちは、

一様に巨大化しました。

宇宙という無限の空間で繁栄した彼ら。

それはまるで地球の深海のような生態系を築き上げたのです。


例えるなら宇宙鯨とでも言うべき超巨大生物は、

全長数万キロメートルの巨体を優雅に泳がせています。

ダイオウイカの様に、長い触手を漂わせる生物は、

まるで箒星を従えているようです。

星雲のような印象の海月(クラゲ)や、

小惑星群に身を隠す海老のような生物まで、

今やこの宇宙空間には数百の生物が暮らしています。



それぞれの銀河固有の生物であったり、

あらゆる環境の銀河に適応した生物も存在します。

彼らは皆、無限の宇宙(うみ)を舞台に躍動していました。

恒星の熱を利用する者、

暗黒の空間を利用する者、

捕食者を欺く為に惑星に擬態する者、

様々に生命(いのち)を繋いでいたのです。




しかし、

無限と思われていた宇宙にも終焉はやって来るようです。

膨張し続けていた宇宙が、

突然、猛スピードで収縮し始めたのです。

このままの速度で収縮すると、

あと数百億年後には宇宙は消滅する事でしょう。

銀河は消え、様々な物質も消え、

()になります。

もちろん生命(いのち)も皆消えてしまうでしょう。


ですが、宇宙も生物なのです。

生まれては滅び、また生まれるのです。

(ゼロ)に戻り、

そこからビッグバンが発生し、

新しい宇宙が誕生する事でしょう。



そしてまた様々な生物が生命(いのち)の煌めきを見せてくれるのだと思います。


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― 新着の感想 ―
[一言] 生物は宇宙空間では存在出来ないと頭の硬い私はふと思ってしましたが、とてもキレイな文章で、深海の様な宇宙を想像しました。生命の多様化やマキシマムの世界とミニマムの世界は似ていることがあることを…
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