表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/21

第20話 クラス対抗戦開始!

前回のあらすじ

リース達のお出掛けに付き合うことになったシン

 

 そんな訳で(どんな訳で?)、俺はリース、リーナ、ルルの三人の外出に付き合うことになった。

 俺は主に荷物持ちで、リース達の買った物を持ち運ぶ役目を仰せつかった。


 俺という男手がいるのをいい事に、リースとルルは手加減などせずに色々と買い込んで俺に荷物を持たせてきた。

 なのでせめてもの反撃として、二人の学院での生活を知りたがっていたリーナに、ある事ない事ない事ない事伝えた。

 するとリースとルルの二人共面白いほど慌てふためき、そんな二人をリーナは温かい目で見守っていた。


 そんなこんなで、教え子とその姉に付き合って俺の休日は終わった―――。




 ◇◇◇◇◇




 翌日、十一月五日月曜日。

 俺は教壇に立ち、一年F組の生徒達を見回す。

 生徒達は皆、やる気に満ち溢れた顔付きをしている。


 生徒達はこの一月で、見違えるほどに実力を底上げした。

 今日から始まるクラス対抗戦は、その成果を発揮するための場所になる。


「それじゃあ朝のホームルームを始める。今日から三日間かけてクラス対抗戦が行われるが……俺から言うことは二つある」


 俺はそこで一旦区切り、続ける。


「まず一つは、悔いのないように全力を出し切れ。相手のクラスはいずれもお前達より上のクラスだ。相手の胸を借りるつもりで戦え。そしてもう一つは……」


 そこで区切り、俺は生徒達の顔を再び見回す。

 皆やる気に満ちているのはいい事だけど、とても大事な事を忘れている。

 それを伝えるために、俺はフッと笑みを浮かべる。


「……全力でこの行事を楽しめ。別に戦って死ぬことはないんだ。心から学校行事を楽しまないと大損だぞ?」

「戦って死ぬとか……『勇者』の肩書きを持つ先生が言うと冗談に聞こえないんですけど」


 そんなツッコミがリースから入る。


「まあな。俺は今まで生死を賭けた戦いにしか身を投じていなかったからな。ぶっちゃけ、生死を賭けない戦いは、お前達との模擬戦が初めてだったんだ」

「だからって、初擊がアレは流石にないですよ」

「だろうな。これでも反省はしているんだぞ?」


 俺の言葉に、生徒達が失笑する。


 ……緊張は解れたみたいだな。


 そう思い、俺は生徒達に告げる。


「だからまあ、気軽な気持ちで対抗戦を戦え。俺は最初、この対抗戦を優勝するつもりだと言ったが、そんなのはあくまでお前達を成長させるために使った方便に過ぎない。だから俺のためとか、クラスのためじゃなく、自分のために戦え。そして全力で楽しめ。それが俺からの唯一の指示だ」

「「「はいっ!」」」


 生徒達から、気合いの入った大きな返事が返ってくる。


「それじゃあ移動するぞ。場所は第一修練場だからな。間違えるなよ?」


 俺がそう言うと、生徒達は席を立ちぞろぞろと移動して行く。

 その最中、俺はリースを呼び止める。


「リース、ちょっと」

「……? ルル、先に行ってて」


 リースは隣を歩いていたルルにそう言うと、俺の傍までやって来る。

 教室内には、俺とリースの二人だけとなった。


「何ですか、先生?」

「ああ。クラス対抗戦のルールとして、戦闘中に教師は生徒達への指示が出せないだろう? だから指示役は各クラスの学級委員が務めることになっているが……」

「何ですか? あたしじゃ務まりませんか?」


 リースの言葉を否定するように、俺は首を左右に振る。


「いや、そんな事はない。俺がこれからするのは、一回戦の指示だ」


 クラス対抗戦はトーナメント方式で進められ、対戦カードもすでに発表されている。

 俺達F組の最初の対戦相手は、一年D組だった。


 俺の言葉に、リースは首を傾げる。


「指示、ですか……? でも、教師からの指示は出来ないんじゃ……」

「それは戦闘中だけだ。今みたいな非戦闘中は別に指示をアレコレ出しても構わない」

「それって詭弁じゃ……」

「センセイ……学院長にも確認済みだ。別にルール違反にはならないとさ」


 俺がそう言うと、リースは溜め息を吐き肩を竦める。


「はぁ〜……分かりました。それで、先生からの指示って?」

「ああ。一回戦は……」


 俺の作戦を伝えると、リースは驚いたように目を大きく見開く。


「先生、それって……」

「今のお前達なら、それだけで十分にD組を圧倒出来る。それとコレは、二回戦への布石にもなる」

「D組に勝つことはもう確定ですか……」

「当たり前だろう? 誰がこの一ヶ月お前達を鍛えたと思ってるんだ?」

「……半分は学院長ですけど?」

「リースが何言ってるか、ちょっと分からないな」


 リースの鋭いツッコミに、俺はそうとぼける。

 それが気に入らなかったようで、リースがぷりぷりと怒りを露にする。


「もうっ、先生ったら! とぼけないでください!」

「……まあ冗談は置いておいて。F組の指揮、任せたぞ、リース」


 俺はそう言い、リースを励ますように肩をポンと叩く。


「はい! 任せておいてください!」


 リースは怒りの表情を引っ込め、やる気に満ち満ちた表情と共に気合いの籠った返事を返してくる。


 そして俺達も、第一修練場へと向かった―――。






シンがリースに伝えた作戦とは……?




評価、ブックマークをしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ