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キダルくんのさがしもの

作者: にくう まい
掲載日:2020/12/29


けいちゃんの街に雪が積もりました。


けいちゃんはおおよろこびで雪だるまを作りました。





ころんころん、大きな玉を二つ作って、お目目と鼻と口をつけました。


そうすると、雪だるまがけいちゃんにニッコリ笑いかけました。




「こんにちは! ぼくはキダルだよ」


「こんにちは、ぼくはけいちゃんだよ。キダルくんっていうの」


「そうだよ。ぼく、さがしものをしてるんだ」


「なにをさがしているの?」


「それが、なにをさがしているのか忘れちゃったんだ」



キダルくんは悲しそうに言いました。


けいちゃんはかわいそうになりました。



「じゃあ、探すの手伝ってあげる」


けいちゃんは、キダルくんのさがしものを手伝うことにしました。






「うーん、キダルくんは何をさがしていたのかなあ。おにぎりかな」



けいちゃんは、小さな手袋をきゅっとはめなおすと、雪を集めておにぎりを作りました。


「はい、どうぞ」

「わあ、おにぎりだ。うーん、美味しそう」

キダルくんはよろこんで、ぱくぱくおにぎりを食べました。

「でも、さがしているものじゃない気がするよ」




そこで、けいちゃんは、小さなくるまを作りました。

くるまをはしらせるどうろも作ってあげました。


「はい、どうぞ」

「わあ、かっこいい。楽しそう」

キダルくんは目をキラキラさせました。

「でも、さがしているものじゃない気がするよ」



そこで、けいちゃんは、靴を作りました。

けいちゃんの好きな、雨の日でもぬれない、ピカピカの長靴です。

「わあ、面白い。やってみたい」

キダルくんは頭をゆさゆさゆらしました。

「でも、さがしているものじゃない気がするよ」


そこで、けいちゃんは、おうちを作ろうとしました。

けれど、ドアを作ろうと雪を集めはじめたところで、キダルくんがとめました。


「けいちゃん、ありがとう。でも、さがしているのはもっとちがう気がするんだ」





けいちゃんは、こまってしまいました。


「うーん、キダルくんがさがしているのはなんだろう」






けいちゃんはキダルくんのお顔を見つめました。


雪の玉に穴があいちゃうくらい、じいっと見つめて考えました。


すると、キダルくんがニッコリ笑いました。





「けいちゃんを見ていたら、なにをさがしていたか思い出したよ」


「えっ? なに? なに?」


「それはね……」






キダルくんはけいちゃんだけに聞こえる声で言いました。












おうちにかえったけいちゃんは、お部屋に飛び込んでさけびました。



「パパ、ママ、あのね! キダルくんはお兄ちゃんをさがしてたんだって!」






パパとママはふしぎそうに顔を見合わせました。






「キダルくん、すてきなお兄ちゃんをさがしにきたんだって。けいちゃん、お兄ちゃんになってあげるの」


「けいちゃん、どうしてわかったの?」





ママがそっとおなかをおさえました。





「そうよ、けいちゃん。あなた、もうすぐお兄ちゃんになるの」








けいちゃんはママの足にきゅっと抱きつきました。



まどの外にはまた雪がふりはじめて

キダルくんもまたすこし 大きくなったようでした。








おしまい

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― 新着の感想 ―
[一言] 弟くん、生まれてくる前にお兄ちゃんにご挨拶でしたね。 弟君が無事に産まれてきてくれることを祈ります。
[一言] ほんわかする話で良かったです。子供って不思議ですよね。そういう事が分かるみたいです、誰かに教えて貰っているのでしょうか?
[一言] 赤ちゃんは、お兄ちゃんに真っ先に挨拶をしたかったのかもしれませんね。 けいちゃんを探していたら、目的を忘れてしまったのかな。 ふたりで一緒に遊ぶ日が今から楽しみですね。
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