俺と彼女の始まり
今回から数話は広樹の視点で
話が進んでいきます。
俺が翔子と出会ったのは俺が3歳の頃
親の転勤の関係で翔子の家の隣に
引っ越してきたのが始まりだ。
最初、俺の両親と一緒に挨拶に行った時は翔子は
ずっと翔子のお母さんの服を掴み、後ろに隠れていた。
……最初の頃は俺と目線を合わせてくれなかった。
だが一緒に遊ぶ事が増えていくにつれ徐々に俺に
心を開いてくれるようになった。
それからは俺の後ろを翔子は付いてくるようになった。
小学校に上がり、俺自身は他の友達と遊ぶようになった。
だが、翔子は違った。
彼女は他の同級生と比べ、人と話すのが苦手な上
行動全てが遅かったため、一緒に遊んでくれるような
友達がいなかった。
だから遊ぶ相手は俺だけだった。
「ま、まって……ひろき……」
「いいよ、ゆっくりいこうよ」
俺は翔子の遅さには慣れていたためか、不思議と翔子と
いてもイライラすることなく、普通に遊んでいた。
翔子は基本的に室内で本ばかりを読んでいたためか
俺が誘う時は翔子が行かないだろうと思われる
近所の裏山とか、景色が綺麗な木に登ったり
秘密基地と称した洞窟だった。
「うわ……すごい……きれい……」
そんな風景を見て翔子は目をキラキラとさせていた。
俺はそんな翔子の顔が見たいともっと見たいと思い
色んな場所に証拠を連れて行った。
そして俺らは中学生になった。
中学生になり流石に翔子にも友達が出来るのかと
思っていたのだが、相変わらず友達はいなかった。
だから俺はよく放課後に翔子の家に行ったり
逆に翔子が俺の家に来たりしていた。
「翔子〜これ分かる?」
「……ん? これ……?
これなら、この公式を使う」
翔子はとても頭が良かった。
だが俺はそこまで頭がいい方では無く
よく勉強を教えてもらった。
「あっ、本当だ。ありがとう翔子」
「……大丈夫、広樹には
いつも助けてもらってる」
「いや〜本当に助かるよ」
「……別に……普通」
とこんな日常が続いた。
そしてこの頃にちょうど俺は空手を習い始めた。
理由としては翔子がいじめられている際に助けるのに
必要だろうと思ったからだ。
「……って事があってさ翔子がさ」
「広樹って本当に樋口の話ばかりだよな」
と呆れるように言ってきたのが
俺の親友である宮沢でであった。
「そうか……?」
「自覚無しかよ……てか広樹って樋口の事好きなんだろ。
否定しても無駄だからな?」
「……あぁ多分、そうなんだろうな」
俺はこの頃になると自分が翔子の事を好きな事に
気付き始めた。
1つ1つの動作が全て可愛いとおもうようになり
翔子と一緒にいる時間が心地良い時間となっていて
これから先も一緒にいたいと思うようになってきた。
そもそも翔子は学校では地味でかなり影が薄いが
かなりの美人である事を俺は知っていた。
ーー女子にしては高めの身長
ーースラリと伸びた手足
ーーいつもは長い髪と下を向いているため見えない
バランスが整っている顔
クラスの野朗どもは何故こんな美人がいるのに
気づかないのだろうかと思っていたが
いざバレると俺の競争相手が増えてしまうので
あえて言わなかった。
そして翔子に様々な方法にてアプローチをする様に
なったのだが、ここで1つ問題が起きる。それは……
ーー翔子が異常なぐらい鈍感である事だ。
例えば翔子の誕生日に翔子に合うような物を送っても
「広樹って……なんで……私のこと……
そんなに……知っているの……?」
と不思議そうに言われた。
(それはお前が好きだからだよ!!)
という言葉を抑え込み、バレンタインの日には
さりげなく翔子のチョコが欲しいという事を告げたのだが
その時はこう言われた。
「……? 広樹には……私みたいな人よりも
……相応しい人から……チョコもらって……」
(お前からのチョコが欲しいんだよーー!!)
とまた叫びたくなる気持ちを抑えた。
と俺の方法が悪いのか?はたまた翔子が鈍感すぎるのか?
結局進展が無いまま中学校は卒業した。
そして高校では翔子とは違う高校になると思っていたが
何故か翔子が俺と同じ高校に入学してきた。
成績的に彼女はもっと上の高校に行けるはずだったが
本当に何故か同じ高校に入学する事になった。
……本音を言うと何で翔子が同じ高校に来たのか
未だに不明だ。
こんな風に奇妙な事が起き、また翔子と学校生活を
行えると思い個人的にとても楽しみだった。
だが俺の思いはいきなり断たれる事になる。




