何を今更っ!!
私が教室を出てから十数分後
「……こっちは終わったよ」
国木田が校門にやってきた。
「おっ、国木田にしては長かったね」
「まぁ人が恨みを買うとどうなるかは個人的に
見てみたかったかな」
「あれ、もしかして国木田ってドS?」
「んな訳あるか。
ーー胸糞悪いよ」
と明らかに機嫌が悪そうな顔をしている。
「一応奴らの事後の写真撮ってきたけど見るかい?」
「いや、いいや〜見る価値ゼロ〜って奴だからね」
「そうなら、これは僕が保存しておこうか」
「さてさて次はどこに行こうかな〜
と言っても大体聞いちゃったんだよね〜」
「ん? どういう意味?」
「実は同じ様な事を他の輩にもしていたんだ〜
いいよ〜助けを求めるあの土下座はさ」
「多分君の方がドSなのでは?
ってそんな気がしていたよ……」
そうだ。
私は彼とここに来る前に数人に
今回と同じことをしてきた。
……まぁ国木田がいなかったから今までの奴らは
酷い目に合ったんだろうと思う。
「とりあえず〜今回の用事は終わったし
私は都内に戻るとしようかな〜
国木田はどうする?」
「流石に1人になる気はないから僕も戻るよ」
「もしかして国木田って私のストーカー?」
「僕はただ1人で残るつもりはないだけだ!!
ストーカー扱いするなよ!?」
「もぅ照れなくていいのに〜」
「僕には七海という世界で一番可愛い彼女がいるからな?
七海を泣かせる様な真似は出来ないよ」
「おっ、流石部内で彼氏にしたい男子部員ぶっちぎりの
1位!! 言うこと違うね〜!!」
「待って何そのランキング!? 初耳なんだけど!?」
「だって男子部員には秘密にして開催したもん〜
ちなみに2位は織田だよ〜」
「僕と織田は順位逆じゃない?」
「いや国木田のほうが人気高かったよ〜?
しかもそれに平塚がヤキモチ妬いてさ〜」
「あの子は……」
「"センパイは私の彼氏なの!!
カッコいいのは認めるけど私のだからね!!
私の彼氏だからね!? 異論は認めないよ!!"
って女子部員の前で宣言していたよ」
「女子達が僕の事を見て笑っていたのって
そういう意味だったのか!? てか七海は……!!
みんなの前で何、宣言しているのさ!!」
実は平塚を影で煽動していたのだが、それを言ったら
仏の国木田が鬼の国木田になるので黙っておいた。
「あとさ
"ちなみにセンパイに手を出したら……
センパイが痛い目に合うからね!!"
って言っていたよ」
「理不尽!? なんだろう久しぶりにこんな理不尽を
強いられたよ!? 僕悪くないよね!?」
「いや〜彼女に愛されているね〜羨ましいよ〜」
「……命がけの恋は漫画だけでいいよ」
「なるほど、国木田は命がけの恋ほど燃える事は
無いと……平塚に送ろう」
「待って!? 凄い湾曲されて言われているよね!?
僕そんな事言ってないよね!?」
「私を誰だと思っているの?
ーー私が楽しければなんでもする人間だよ!!」
「僕の予想の斜め上を飛んで行ったよ!!
というかただのクズだろ、それ!?」
「はは〜何を今更っ!!」
「カッコつけて言えないからな普通!?」
と私と国木田は馬鹿みたい会話をしながら
都内に戻るのであった。
だが……
私の調べ物はこの後、急展開を迎えるきっかけに
なる事になんて私は思っていなかった。
次回、急展開




