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羨ましい。

「ふふん〜ふふん〜ふふん〜」

私は久しぶりに車に乗りドライブをしていた。

都内に住んでいる叔母さんの車を借りている。

個人的にドライブは好きだ。

なんか車一つでどこにでもいける手軽さを

とても気に入っている。

「さて今日はどこに行こうかな〜」

ただ目的を持たずに走るのもいいし、何か目的を

持って走るのも中々いい。

「よし!! 今日は実家に戻ってみよう!!」

丁度三連休だし、連休明けの火曜日も授業は午後からだし

比較的のんびり運転出来る。

久しぶりにお母さんのオムライスを食べよ〜。

「ーーで、毎度恒例の僕は拉致られるのね」

「あ、国木田いたんだ」

「君がいきなり拉致ったんだよね!?

せっかくの七海とのイチャイチャタイムを潰してさ!!」

助手席に乗っている国木田がなんか騒いでいる。

「国木田って私の事本当に好きだよね〜

でもわたしには心に決めた人が……」

「僕には七海っていう可愛い彼女いるし!!

というか告白してないのにフラれるって何!?」

「そして国木田は枕を濡らすのであった……

まぁ同情しないけどね〜」

「……樋口さん、いちいち人をイライラさせるの

やめてもらえないかな?」

「わ、私……何も……してない……」

「いきなり喋り口調変えるのやめなさいや!?

いつもの君違うよね!?」

「国木田が……いじめる……泣く……ヨヨヨ」

「あぁもうなんなのさ〜!?」

車中で国木田の叫びがこだました。



「で、樋口さん。今回の目的は?」

「ん〜? 前に君が言っていた事だよ〜」

「僕が……? あぁ、事件の再研修ね……

だから実家に帰ろうって言ったのね」

「そうそう〜」

今回の私の目的はあの私にとって忌々しい事件を

もう一度第三者の意見を取り入れながら考え直す事だ。

「で、僕が呼ばれた理由は?」

「暇そう」

「ーーよし、喧嘩だな」

「嘘嘘だって〜怒んないの〜カルシウム不足?」

「食べてるわ!! こう見えて七海の栄養も考えながら

毎日献立を考えいるわ!!」

「もう料理人になれば〜?」

「僕の料理は七海さえ食べてくれればいい」

「わぉ、彼女に一途〜」

羨ましい。

そんなに誰かのことを思って、行動出来る彼が羨ましい。

彼だけではない。平塚や織田、与謝野、森も同じ理由で

羨ましい。

そして何よりもその思いに応えてくれる相手がいる事が

とても羨ましいし、僻む。

「とりあえず僕は前回と同じ様に君を見張るのかな?」

「それと……今回は貴方の意見も欲しい」

「僕の意見?」

「そう、どうしても事件を調べるってなると

私は感情っていうフィルターを通して見てしまうから

そのフィルターが無い、国木田の意見も欲しい」

「オッケー、出来る限り善処する。

ーーところで目星はつけているの?」

「うん、いくつかね。都内に今日までに知り合いにさ

じんもーー聞きに行っていたんだ」

「ちょっと待て、今かなり物騒な単語が

聞こえかけたんだけど気のせい?」

「なになに、私はただ"お願い"をしただけだよ〜?

ーー秘密を盾にしてさ」

「知ってるかい? 世間ではそういうのをね

"脅迫"って言うんだよ!!」

「私みたいな生活が仏みたいな美人がそんな事

すると思っているの〜?

ーー平塚に今回の事バラしてあげよっか?」

「だからそれを世間では脅迫って言うんだよ!!

人が言っている側から君は……」

「じゃあ行くっよ〜!!」

「や、ちょ!? スピード速いって!?

うわぁ〜〜!!」

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