私は私なりにやってみるよ
私は平塚と与謝野がいる場所に向かった。
(確か、この近くのはずなんだけどな……)
と周りをキョロキョロしていると
「あっ、与謝野……平塚……いた」
ちょうど2人を見つけたのでそっちに向かった。
(良かった、何とか2人とも無事みたい……)
平塚に何かあったら国木田に私が怒られる。
「2人とも大丈夫
ーー平塚!? どうしたの!?」
目の前では平塚が泣いていて、それを与謝野が
慰めているところだった。
あまりにも驚きすぎて前までの口調が出てしまった。
「あっ……樋口先輩……どうして……」
「うぅ……」
「私かい? 私は国木田に言われてここにいるんだ〜
それより平塚どうしたの?」
私は平塚に優しく尋ねてみた。
「わ、わ、わ、私のせいで……り、り、り、凛子が……
私の親友が……危ない目に……!!」
「平塚、落ち着いて。貴方のせいじゃないでしょ」
と与謝野が平塚を慰めているけど……
「あ、あ、あの時……私が……変な電話しなければ
凛子は……あ、あ、あ、あんな事に……!!
うわぁ〜ん!!」
「平塚……」
私の身の回りの人が、あのクズのせいで
泣いて苦しんでいる。
それが何よりも私の胸を締め付ける。
(あのクズのせいで泣くのは私だけでいい……
もう私には好きな人は近くにいないけど
彼女らにはいる。私にはいない人がいる)
ーー私に出来ることは何があるだろうか?
ーーもう私の周りの人達をあのクズのせいで
泣かせない為には何をすればいい?
ーー簡単だ、私がもう一度鬼にでもなればいい。
ーー私には失う物は今度こそ無くなったから
いくらでもやってやろう……!!
(さて、どんな風に痛めつけてやろうか……!!
生きている方が辛いところまで落としてやろうか!!)
だがその時……
"頼むよ、樋口さん"
何故かふと国木田に言われた一言が頭をよぎった。
(今、国木田が頑張っている……)
私の暴走を誰よりも心配してくれて
自分が怪我しているなんて構わず助けてくれたお人好し。
その彼は私が暴走するのを誰よりも止めた。
彼が何故、私にそこまで構うのか分からない。
ただそんなお人好しの彼のおかげで
私はだいぶ救われた。
ーーそんな彼を裏切って暴走して、彼が喜ぶか?
(いや、喜ばないよね……)
そして何よりも
"翔子は何があっても変わらないでくれよ"
私が一番好きな人が言ってくれた言葉を大切にしたい。
ーー例え、彼に二度と会えなくても
ーーその言葉を既に裏切っているとしても
(私は私なりにやってみるよ、広樹、国木田)
そう決めた私は……
「平塚、大丈夫だよ」
泣いている平塚に優しく囁いた。
「で、で、で、でも……あ、あ、相手が誰か……」
「それなら大丈夫。国木田が何とかしてくれるよ」
「センパイが……?」
「そうだよ。貴方が大好きなセンパイが何とか
してくれるからさ」
「でも……」
「あれ〜じゃあ貴方が大好きなセンパイはその程度ねの
彼氏なのかな〜残念だな〜」
私はわざと平塚を挑発してみた。
「そ、そ、そ、そんな訳ない!!
私のセンパイなら大丈夫ですよ!!」
「でしょ? なら信じてあげなよ。
ーー貴方の彼氏なら大丈夫。
彼を3年間見てきた私が言うんだから信じて」
「3年間……」
「そうだよ〜私と国木田はもう3年の付き合い
なんだよ〜だから色々と知っているのだよ〜」
「むぅ……私の方がセンパイを知ってます!!
だって四六時中一緒にいますから!!」
「ほほ〜言うね〜まだ半年のひよっこが」
「センパイの彼女は私なんです!!」
「……あの〜先輩と平塚は何で喧嘩してるんですか?」
与謝野が冷静なツッコミを入れてきた。
「あっ……そういえばそうでした」
「どう? 気分紛れた〜? 」
「まさか樋口先輩……私の気を紛らわせる為に……?」
「はてはて、何のことやら」
平塚は口が悪いが単純な性格をしているため
話題を変えれば、それなりに気分も変わると思った。
ーー予想以上に効果てきめんだった。
「樋口先輩、貴方は……」
「私は何もしてないよ〜ただ事実を述べただけだよ〜
あ、あとこれ」
と私は与謝野にむけてとある物を投げた。
「化粧ポーチですか……?」
「2人とも心配なのは分かるけど〜
顔がヤバイよ〜ヤバイよ〜!! 今すぐ化粧室に行き
メイクを直してくるのだーー!!」
「で、でも……」
2人はやや遠慮した様に言ってきた。
「せめて頑張って帰ってきた彼氏にさ
最高の笑顔見せてあげようよ。
国木田と織田って貴方達の笑顔を見るのが
大好きな奴らだからね」
「そ、そうですかね……?」
「うん、私が保証するよ。
だから行っておいで」
と私は2人を化粧室に行かせた。
(ここは私が頑張るから、さ
そっちは任せたよ国木田)




