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鬼にでも

私達は朝一の都内行きの電車に乗っていた。

「……国木田」

「ん? どうしたの?」

「顔……ニヤケている……」

「これはすまん。ついね」

と言いながらも、国木田は顔が幸せに笑っていた。

「……その相手って森?」

「ああ、そうだよ。よく分かったね」

「国木田と部内で仲が良くて……恋人がいないのは……

森だけ……や〜いロンリー」

「……なんでそれを僕に言うのかな?」

「国木田が……国木田だから……国木田なの」

「ごめん、全然君の理論が理解出来ない……」

「大丈夫……私も……不明」

「じゃあ何故言った!?」

毎度恒例、国木田のツッコミ。

それを見ると妙に安心するのは気のせいかな?

「や〜い……や〜い……国木田」

「もはや意味分からないからね!?」

「で……森が……好きなのは……この子?」

「そうだよ。やっぱり樋口さんだね。

何でも知ってるね」

「江國凛子

国際政治学部1年生……平塚の親友……

家族構成は父、母、妹の3人……高校は女子校

男女交際は……無し……性格はツンデレ

身長……156……スリーサイズは……」

「待って待って!? 何でそこまで知ってるの!?

というか犯罪の匂いしかしないよ!!」

「ん? 何でって……ノリで?」

「いやいやノリでスリーサイズまで調べるかい!?」

「私より……胸大きい……許せない」

私が世間一般ではスレンダーと呼ばれる体格のためか

胸はあまり大きくない。それに対してこの少女は

身長は私より小さいくせに、胸は大きい。

(私より……大きいのは……ズルイ)

「理不尽の極みだよね!?」

「なお……平塚よりも……大きい」

「……いらない情報ありがとうね」

と言いながら目をそらす国木田。

「……想像したの……?」

「してねぇわ!!」

「……国木田の……変態」

「理不尽な冤罪だ!?」

「……それで、その江國?が……森の事が好き……

森も……その子が好き?」

「話逸らしやがって……どうやらそうみたいだよ。

なんか森も覚悟決めたみたいだし、それぐらいは

見に行こうかなって思ってね」

「……お人好し?……もしくは野次馬?」

「辛辣な意見ありがとう……今度覚えておけよ……」

国木田はややキレていた。

というかさっきから怒ってばかりだ。

(まぁ……怒らせているの私……なんだけど……)

「はぁ……君という人は」

「可愛い?」

「……もうそれでいいよ。はいはい可愛い可愛い」


そんなくだらない会話をしていてしばらく経ち

あと都内の駅まで約10分となった頃

スマホを見ていた国木田の顔が一気に曇った。

「おいおいマジかよ……!!」

「どうしたの?」

「どうやらハッピーエンドはまだ先みたいだ」

「えっ?」

「常村の取り巻きが問題起こしたみたい」

「あのクズの……?」

「そう、あのクズの取り巻きが森の好きな人を

事件に巻き込んだみたい……」

「な、なんでよ……」

「大方僕と七海に恨みがあるんだろうけど

僕が怖くて復讐出来ない。なら七海の親友に

八つ当たりをしようって感じだろうね」

「クズの取り巻きもクズなのね……!!」

私は久しぶりに感情的になった。

ただですら憎い奴の名前など聞きたく無かったし

更にその取り巻きがまた私と親しい人を傷つけようと

している事がすごくムカついた。

「悪いけど樋口さん……」

「いい……私……助ける」

「すまん、助かる」

「……クズは……まとめて……クズ箱に……入れる」

(もうあのクズ関係で私の親しい人が泣くのは嫌!!

なら私がもう一度鬼にでもなってやる)



次回から本編での森と凛子の事件の

樋口視点に入っていきます。

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