幸せな妄想
今回は最後以外はギャグ要素高めです。
私がイメチェンをして増えた事というか
最近日課になりかけている事がある。
それは……
「〇〇君、話って何かな?」
「わざわざありがとうな樋口さん。
じゃあ単刀直入に俺と付き合ってくれない?」
目の前にいるのは同じ学年の野球部の男子だ。
中々のイケメンだとクラスメイトが言っていた。
(はぁ……またこれか……)
「ごめんね、〇〇君。私今誰とも付き合う気無いの
告白は嬉しんだけど……」
「俺の何がいけないんだ?」
その告白してきた男子は私に聞いてきた。
「何がいけないって訳じゃないの。
私は今誰とも付き合う気は無いの」
「そうか……ならしょうがないな
悪りぃな時間取らせてな」
「いいよ〜ごめんね」
と言うと私に告白してきた男子は去っていった。
「はぁ……どいつもこいつも人の見た目が
変わった瞬間、態度変えやがって……」
その日の放課後、私は帰り道でため息をついていた。
最近の日課にされているもの……
それは告白だ。
私がイメチェンをした次の日から、何故か野郎共は
手のひらを返した様に私に告白してきた。
「実はずっと前から好きだったんだ」
「樋口さんの笑顔が可愛くて
その笑顔に一目惚れしたんだ」
「なんか樋口といると毎日が楽しんだ」
なんていう言葉を告白に添えてきた野郎共。
中には私が前に教室前でもたついていた時
邪魔って言った奴もいた。
(私はお前らに好かれる為にイメチェン
してねぇよ!!)
………私に可愛いと言っていいのは両親と広樹だけ。
イメチェンした途端に飛びついて来る奴らには
呼ばれるだけで寒気がしてくる。
なんて思っていると無性にムカついてきた。
「あーやだやだ。何かして気分変えないと……
あっ、そうだ〜!!」
私はある事を思いついた。
「広樹に告白される妄想をすればいいじゃん!!」
〜〜
それは夕焼けが綺麗な帰り道………
私は広樹といつものように一緒に帰っていた。
すると広樹がいきなり足を止めた。
「なぁ翔子……?」
「ん?広樹どうしたの?」
私が広樹に振り返る。
彼は何かを決心した様な顔をして私の方を見た。
「俺さ、実は前から………」
「前から?どうしたのさ?」
「前から………あぁクソ!!上手く言葉に
出来ねぇ〜!!」
「広樹、どうしたの?何か変だよ?
………あっ、変なのは昔からだよね」
「酷ぇぇな!?というなら翔子も変だろ!?」
「何よ?私の何が変なのよ?
ほらほら言ってみなさいよ〜」
「昔から充分可愛かったのにさ、
なんかイメチェンしてさらに可愛いくなってるし!!」
「えっ………」
「って、あっ!?しまった………
あぁもうやるしかないな!!」
というと広樹は私の肩を掴んだ。
「翔子の事がずっと前から好きだった!!」
「えぇぇ〜!?」
「俺と付き合ってくれ!!」
「わ、私で……いいの?」
「翔子だからいいんだよ。
で、答えは?」
「私の答えなんて前から決まっているよ
うん、付き合おうよ。私も広樹が好きなんだ」
「翔子………」
「広樹………」
と私達2人の顔が徐々に近づいていき………
〜〜
「きゃあーそのままキスして、抱きしめて〜
その流れでオトナの階段登っちゃう!?
登っちゃう〜!!」
私は幸せな妄想にしばらく浸かっていた。
………ウン、アリだわコレ。
(やっぱり告白の定番って夕焼けだよね!?
あっ、でも星空の下もいいなぁ〜!!)
〜
星が綺麗な夜。
私と広樹は星がよく見える高台に来ていた。
「うわぁ〜星空綺麗〜!!」
「だろ?翔子が喜んでくれて嬉しいな」
「広樹ありがとう〜ところで広樹が
一番好きな星って何?」
「俺か?そうだな………」
「えぇぇ〜無いの?」
「いや、あるさ。その星はいつも俺の近くで
俺を見守っているかな」
「??なんていう星なの?」
「その星の名は
ーー樋口翔子って言うんだ」
「えっ、それって………」
「これからも俺の側にいてくれないか?」
広樹は若干顔を赤らめ、私の方を向かずにそう言った。
「う、うん………私でよければ」
「ありがとう、翔子」
と言うと広樹は私を抱きしめてきた。
そしてそのまま私達は………
〜〜
「広樹なら絶対言わない様なセリフだけど
それがいい!!えへへ〜広樹の側なら
どこにでもついていくよ〜!!
そのまま夜空に新しい星座作ろうーー!!
なんなら新しい家族作っちゃう!?」
私は2つ幸せな妄想のおかげでさっきまでの
鬱憤は飛んでいった。
(せめて、妄想ぐらいは広樹と一緒にいても
誰にも文句言われないよね………?)
ーーそうだ、明日からまた私の復讐が始まる。
ーー今度はもしかしたら私が捕まるかもしれない。
ーー最悪、死んでしまうかもしれない。
ーーでも止まる訳にはいかない。
(だからもう少し………もう少しだけでいいから
私に夢を見せて………お願いだから)
私は誰に言うわけでも無く、呟いた。
次回から復讐再開




