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もう嫌だ

私の世界が壊れた次の日・・・

「翔子ちゃん・・・ご飯出来たわよ・・・?」

「いらない・・・」

「でも昨日から何も食べてないじゃない・・・」

「何も食べたくない・・・」

「分かったわ、とりあえず部屋の前に置いておくから

気が向いたら食べなさい」

「・・・うん、ごめなさい・・・お母さん」

「いいのよお母さんは・・・今1番辛いのは

翔子ちゃんでしょう?

とりあえず今日は休みなさい」

「・・・ごめんなさい・・・」

私は広樹の家の前で大泣きした後

そのまま家に帰り、自室に閉じこもった。

昨日の朝は食べたが、昼から一切何も食べておらず

布団にくるまって泣いていた。

(もう嫌だ・・・嫌だ・・・学校行きたくないよ)

私にとって世界そのものであった広樹はもういない。


ーー学校に一緒に行く事も


ーー授業中の寝顔を見る事も


ーー帰り道にどこかに寄り道する事も


ーーあの温もりを感じる事も


ーー自分の思いを告げる事すら


もう二度と出来ない。

厳密に言えば広樹は死んでないので絶対では無いが

どこに行ったか分からないのでほぼ同じ意味だろう。

(広樹・・・何でいなくなったの?

ねぇ・・・何も言わずにいなくなったの?)

その時、広樹と最後に遊んだ帰り道での

彼の発言が頭をよぎる


"俺がどこかに行くとしたらさ・・・

翔子を誘ったら来るか?"


今思えば、あの時の広樹は明らかに変だった。

あんな事言ってきたし、雰囲気もいつもと違った。

(何であの時、気づいてあげれなかったの⁉︎

私は・・・‼︎何しているの私‼︎)

自分の不甲斐無さに怒りがこみ上げてくる。

今まで広樹に助けてもらったくせに

自分は彼を助ける事が出来なかった。

そう思うとまた泣きたくなってくる・・・

(泣くな、私・・・私に・・・泣く資格はない・・・

何も・・・出来なかった私に・・・‼︎)

ふと机の上の広樹からもらった髪飾りが目に入った。

(広樹からもらったもの・・・)

私は布団から身体を出して、それを取りに行った。

本当は学校につけていきたかったが、失くすと嫌だった

ので家に置いていったのだ。

まさかあの時はこれが広樹からの最期のプレゼントに

なるなんて思ってなかった。

私はその髪飾りを手に取ると、強く握った。

(広樹・・・)

これを握れば、少しは広樹の温もりが感じられると

思っていたのだが、ただ金属の冷たさしか感じない。

(ねぇ・・・これを選んでいる時ってどんな気持ち

だったの・・・?教えてよ広樹・・・ねぇ)

さっきまで散々泣いていたのにまた涙が出てくる。

というか昨日から泣いてばかりだ。

(私これからどんな風に生きていけばいいの・・・?

教えてよ・・・いつものように笑いながら教えてよ)

しかしいつも私を引っ張ってくれていた彼は

もう引っ張ってくれない。

(もう生きている意味無いよ・・・

広樹いないなんて・・・私には耐えられない・・・)


スピンオフ元の作品と

雰囲気の差が激しい・・・

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