ファーストエンカウント
ついに例のクズが出てきます
とある日の休み時間
私はいつもの様に教室で本を読んでいた。
(ふふ・・・やっぱりこの作者書き方面白い・・・
比喩が面白いな・・・そういえば明日は最新刊の発売日
だったな・・・買わなきゃな)
と私お気に入りの本を読んでいると
クラスメイトの声が聞こえた。
「ねぇ、噂の新入生見た?」
「見た見た‼︎かっこ良かったよね〜‼︎」
(噂の新入生?)
私は心の中で首を傾げた。
何せクラスメイトと話さないので学校内で誰がイケメン
とかの情報を知らないのだ。
つい気になり、耳を傾けた。
「いや〜あのルックスは反則よ〜」
「しかも今彼女いないんだって〜私狙おうかな」
「いやいや◯◯ちゃん彼氏いるでしょ?」
「だって彼、つまらないんだもん〜」
「名前は確か・・・」
「常村悠平君だよ‼︎」
「あっ、そうだよね‼︎
というか彼ってイケメンで運動神経抜群で性格良し‼︎
しかも父親は社長だって、羨ましいなぁ〜」
「父親が社長だって・・・私の父親なんてね・・・」
「本当それ勘弁‼︎」
と何故か父親の話になっていたので
(私のお父さんは・・・)
私の父の事を考えてみた。
見た目は年相応の顔で職場での役職は部長だ。
昔から私を1番に考えてくれる。
私の運動会や発表会には必ず来てくれた。
ーー画質が良いカメラと
大量のメモリーカードと共にだけど・・・
そして大声で応援してくれる。
そして家には私が産まれてから今までのほぼ全ての
写真が入っているアルバムがある。
撮影者は勿論父だ。
前に私が父にふざけて嫌いって言ったら
「し、翔子ちゃんに嫌いって言われた・・・
私はもう無理だ・・・ガクン・・・」
とわりかし本気で落ち込んでいたのが印象的だ。
・・・母は笑っていたが。
そんな感じで私にとって父は自慢だ。
(でも・・・タバコはやめて・・・欲しい)
それに関しては心の底から思う。
その日の授業が終わり、帰る準備をしている時
「ねぇ今、常村君が校門にいるって‼︎」
「えっ⁉︎本当⁉︎見に行こうよ‼︎」
「行く行く‼︎」
とクラスメイトの女子達が騒いでいた。
(常村・・・?あぁ休み時間の噂の新入生・・・)
わずか数時間前に聞いた人の名前を忘れた私だった。
そもそも私にとって覚える人の名前は
私の母、父そして広樹であった。
基本的にこの3人以外はどうでもよかった。
(だけど・・・これからはそうじゃダメだよね・・・
色んな人・・・覚えないと・・・)
今までは広樹に頼ってばかりだったけど、これからは
1人で色んな事をしていかなければならない。
・・・勿論、人付き合いもだ。
(でも、どうしよう・・・人付き合い嫌だな・・・)
なんて考えていると外がうるさくなってきた。
(あれは・・・?)
気になり窓から外を見ると、1人の男子の周りに
沢山の女子がいた。
(あれが・・・ハーレム?
うるさいな・・・)
多分彼がさっきまでクラスメイトが騒いでいた
常村という男子なのだろう。
(あれ、カッコいいの・・・?
広樹の方が・・・何倍もカッコいい・・・)
後に私が憎悪を抱く事になる常村を
初めて見た瞬間だった。
ーーそして崩壊の足音はもう寸前にまで
近づいていた。
次回から一気に展開したい・・・




