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【悲報】俺氏、現実に飛ばされたもよう  作者: かにまる とうぽ
2/2

ペットボトルってなんぞ?

「ここ岡山だよ?」


少女の口にした耳慣れない地名に俺は戸惑った。


__俺はさっきまでミカモにいたはず、そこで馬車に轢かれて意識を失って気が付いたらここにいた。



「オカヤマとはどこだ?地図で言うとどの辺りだ?」


「地図?この辺りの人じゃないん?ちょっとまって・・・」



少女は徐に奇妙な板の様な物を取り出し、俺に見せた。


「ほらこの辺だよ、四国の上」


__見たこと無い地図だった、少女は小さな島国の一点を指していた。



「お兄さん外国の人?それにしては日本語上手いけど」


「ミカモの冒険者だ」


少女も俺も混乱している、言葉は通じるが、話は噛み合っていない。


「どこだろうそれ・・・検索しても出てこないけど・・・」


少女は板の様な物を触って話しているが、俺には何のことかさっぱり分からない。



__これでは埒が明かない


「なあ君、少し聞きたいんだがいいか?」


板と見詰め合っている少女に、俺は質問を始めた。


「俺を助けてくれたのは分かったが、その時の状況について詳しく教えてくれないか?」


「状況って言っても、お兄さんが倒れてたのを私が見つけて、それからは話した通りだよ?」


__やはりおかしい、誰かが運んだにしても状況が変だ。


「お兄さんやっぱ外国の人でしょ?名前なんていうん?」


「ライト=ゴルドだ。」


少女は少し呆気にとられていた


「や、やっぱり日本の人じゃないね・・・」

「私は倉敷、倉敷美星だよー」


彼女の名前も、俺の住んでいた地域では聞きなれない名前だ。


もし本当にここが俺がいた国とは違う場所ならば、何故馬車に轢かれたはずの俺がここで倒れていたのか。

何故身包みはそのままで、怪我も無く意識が戻ったのか、分からない事だらけだ。


巨大な建造物や、目まぐるしく行き交う大量の人々に圧倒される


「どうしてこんな事に・・・冒険者として名を馳せて、家を継ぐのが俺の一生だと思っていたのに・・・」


絶望に打ちひしがれる俺に、少女は声をかけた。


「あ、あのー・・・お兄さん顔色悪いけど大丈夫?」

「熱中症か何かかなあ、私そこの自販機でお水買って来るねー。」


少女が気を利かせてくれたようだ、ここは日陰だというのにかなり暑い。

それに鎧を着たままだから余計に蒸し暑い。

剣も盾も無事だ、誰にも盗られていない。


「いい加減そのコスプレ脱いだらー?はいお水。」


「一体そのコスプレというのは何だ。それに鎧を脱いで、もし急に魔物が来たらどうする。」


「ま、魔物?それってイノシシとかオオカミ?ここそんなに田舎じゃないよー」


少女が帰って来て、透明な容器に入った水を渡されたが、飲み方が分からない。

妙に硬い蓋の様な物がついている。


「ペットボトル開けらんないの!?ほんとにどこから来たん?」

「それにさっきの魔物なんて、世界中どこ探してもいないと思うよ?」


「世界に魔物がいないだって!?」


__魔物は人類共通の敵だ。それを倒し、街や人々を守るのが俺達冒険者の役目だ。

__魔物がいない、ならば冒険者もいないのか?周りには鎧はおろか、剣や弓を持つ者もいない。


__似たような服装ばかり・・・



俺は膝から崩れ落ちた


「ちょ、ちょっと大丈夫!?困ったなあ・・・」



「おーい美星ー!なにしてんのー?」


少女に別の女性が声をかける。


__知り合いか?

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