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僕と親友と委員長とその他もろもろ  作者: 進路希望書忘れて自宅に取りに帰るだるさ
6/7

初戦闘はスライムでお願いします!前編

 揺れる茂み、ガサガサと音を立て、2mはあろうか茂みに隠れているそれは、姿は見えないが確実に近づいてきている。


 俺とマツモトはそれとなく、武闘家っぽい仕草を取り、待ち構えた。


 ちなみに格闘技とか一切習ってません。なんと無くノリでやってみました。


 「おい、マツモトよ」


 「何だ?  俺今テンション溜めてんだから邪魔するなよ。50からは中々上がらないんだぞ」


 マツモトは全身に力を込めてプルプル震えている。


 「お前溜めるとか覚えてねぇだろ!  どこのドラ○エだっ!」


 お、落ち着け。これは初戦闘だろ。って事はあの定番の奴がくるはすだ。


 そうだ。シリーズは違えどもあのドラ○エなら必ず青い雑魚敵から始まる。そう、スライムからっ!


 なら異世界戦闘も基本スライムからスタートの筈!  俺のHPは500もあるのだ1ダメージをいくら食らおうが問題はないっ!


 緊張しつつ、テンションが上がってくる。溜めるとか無しで。普通のテンションですよ。



 「なぁ、コウスケ。キラーパ○サー的な強そーな奴出てきたらどーする?  俺ら今装備制服だぞ?一撃で殺られる気がする」


 「不安にさせんじゃねぇよっ!  最初はスライムって相場は決まってんだから!」


 バカなこと言うなよ!  狼みたいな奴相手に素手で勝つとか多分無理だからっ!  


 けど、確かにあり得んことも無いな。ってかHP500って多いのかっ?  基準が分からんから少し怖くなってきた。


 そんな纏まらない考えをしてる間に茂みから何かが飛び出してきた。



 きたっ!  さあっ!スライムこ……


 ん?


 飛び出してきたモンスターの姿を見て、俺とマツモトのテンションは一気に0になった。


 飛び出してきたのは確かにスライム……とも言えなくも無い……かもしれない。そもそもモンスターなのかもよく分からない。


 見た目は身長1m50前後、白のブリーフ、はげた頭のおっさんだった。


 まあ、スライムっぽいというのは全身に青いローションみたいなのをぶっ掛けたみたいにヌルヌルの青い液体を纏っていたからだ。キモい!


 こ、これはモンスターなのか?


 俺とマツモトは揃って動揺する。


 「おいっ!  マツモト、どーすんだよ。スライムっぽい青いヌルヌル纏ったおっさん出てきたよっ!  」


 「ま、待て、まさかこんなのが出て来るとは予想できなかったっ!  スライムなのかっ?  おっさんなのかっ?」



 俺とマツモトは先制で見事に混乱させられた。え?敵とみなしていいのこれ?いや、この人っぽいやつ。


 今の所、スライムっぽいおっさんははぁはぁ息を切らしながら俺とマツモトの目の前にstayしている。キモい!


 お、落ち着けっ!


 「マツモト!  確かモンスターブックがあっただろ?あれでこいつのデータを確認するんだっ!」


 「なるほど!  分かった!」


マツモトはポケットからケータイを取り出す。これでモンスターなら多分、遭遇した事でデータを見れるはずだ。


 「あったぞ!  コウスケ!  名称は……おっさんスライムだ」


 だからどっちなんだよっ!!


 なんだおっさんスライムって!スライムのおっさんなのかっ?  おっさんのスライムなのかっ?


 そんな事を考えてるうちにおっさんスライムが息を整え、攻撃に転じてきた。


 ちょぁーーっ!とか声を荒げながらに俺に狙いを定め、右パンチで攻撃しに来た。え?俺?


 「うわっ、こっちくんなよっ!ベタベタが移るぅー!」


 俺はおっさんスライムの攻撃から全力疾走で逃げる。


 「マツモト!  今だっ!  安全な後ろから攻撃してくれ!」


 俺は逃げながらマツモトへヘルプを求める。


 「ダメだっ!  ベタベタだから触りたくないっ!」


 「いいから早くやれよっ!」


 確かに!  全身ベタベタのおっさんスライムの身体を素手で攻撃するのは少し厳しい。これこそ最大の防御かもしれない。


 おっさんスライムが今度はマツモトに狙いを定めて、ちょぁっ!と叫びながら突進し始めた。


 「マツモト、そっちに行ったぞ!」


 「よ、よしっ!仕方ない。俺の必殺上段蹴りを食らわせて……あ、足吊ったぁぁぁぁぁー!!」


 マツモトは足が吊ったようでその場で立ち尽くしている。


 「さっき無駄に力入れてたからだろうがっ!」


 そして、おっさんスライムがマツモトとの距離を詰める。



 「ぁぁぁ足がぁぁー!やめろっ!ヌルヌルになるっ!」


 マツモトが本気で叫んでいた。顔には闘争心は全く無く、表情は恐怖で満ちている。


 まあ、動けないのにヌルヌルのおっさんが迫ってきたらそーなるよな。ってかこのままでは本当にマツモトがヌルヌルになってしまう。


 「やめろぉー!  おっさんスライム! マツモトをヌルヌルにするなぁぁー」



 そう叫んだ瞬間、おっさんスライムは目の前から姿を消した。


 いや、正確には埋まった。いきなり地面にものすごい速度で。


 俺とマツモトはあまりの出来事に無言で立ち尽くす。


 「え?  なに今の?やったの俺?」


 そんな疑問が浮かぶ中、俺のケータイの着信音が草原に響く。


 急いでケータイを取り出し、画面をつける。ケータイの画面にはこうあった。


『おっさんスライムを倒した。


LevelUP!1→3


初ボーナスポイント10000pGET!』




ーーー10月10までテスト週間なので更新が遅くなります。申し訳ありません。

土日に1話は更新します。

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