強襲! 闇の乙女! 2
いきなり襲いかかったダークセイバーは、まずレッドに対しキックを加えた。
レッドはなんとかその攻撃を耐えるが、衝撃に相当驚いている様子だ。
それに対し、イエローはおどおどしている。
学校であれだけ不安になっていた奈緒だ。
とてもじゃないが、ダークセイバー相手に攻撃をすることなんて、できるはずがない。
「ふっふっふ……しかし、ダークセイバーのスーツは俺が急造でホーリーセイバーのスーツを元に開発させたのだ……うかうかしているホーリーセイバーは負けてしまうぞ……!」
『あ……あの。ご主人様』
俺がそんな風に悦に浸っていると、コックピット内部に可愛らしい声、彩子の声が聞こえてきた。
「ん? どうした。彩子」
『え、えっと……ということは、今日、サイコカオスは戦わないんですか?』
「え? ああ。まぁ、ダークセイバーがすべて片づけてしまったら、戦う必要はなくなってしまうな」
『そ、そんな……それじゃあ、私のいる意味が……』
彩子はどうやら戦わないことに不安になっているようだった。
しかし、俺としてもそこまでは計算済みである。
「ふっふっふ……大丈夫だ。いくらダークセイバーでも、ホーリーセイバーを二人相手にして一人で戦いを終えることなど……え?」
と、そう思ってふとモニターを見て驚いた。
「……え? 勝ってる? いや、勝った……のか?」
見ると、ダークセイバーの前にホーリーセイバー二人が倒れてしまっている。
すると、ダークセイバーはサイコカオスの方に向かって、手を振っているではないか。
「……勝った」
『……ええ。ダークセイバーが、ですね』
彩子の声は不満そうだった。俺もそれ以上は何も言わなかった。
とりあえず、これは外に出た方がいいだろう。
俺はコックピットからエレベーターに移り、そのままサイコカオスの外に出ることにした。




