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ホーリーセイバーの危機 4

「……そうだな。俺としては寝返ってきた正義の味方を、わざわざ説得して正義の道へ引き戻すことなんてしないが、お前らはお前らで、この状況の打開策をどうにかして考えるんだな」


「……ああ。そうさせてもらおう」


 そのまま赤沢は鋭い目つきを向けたままで屋上から階下へとつながっている階段に向かって言った。


「……梅木。いや、ドクターフェルシル!」


 と、ふいに赤沢が振り返ってこちらを向く。


「な、なんだ……?」


「……ホーリーブルーは必ず帰ってくる。私達はそれを信じている。二人でも私達は全力でお前に挑むからな!」


 そういって真っ直ぐに俺を睨む視線はまぎれもなく正義の味方の瞳だった。


 そんな目で見られてしまうと、俺の悪の組織のDNAも否応なしに反応してしまう。


 俺はニンマリと微笑み返した。


「……ああ。楽しみにしているぞ。ホーリーセイバーの諸君」


 そして、赤沢は帰っていった。


 正直実は楽しみだった。


 ホーリーブルーは確かにホーリーセイバーを裏切った。それだけは確かな事実である。


 しかし、それだけではない。


 ホーリーセイバーを裏切り、ダークネクロムの忠実なボクとなったのだ。


「ククク……せいぜい足掻くがいいぞ……ホーリーセイバーめ……!」


 そう言ってから俺は思った。


 じゃあ、やっぱり清夏は赤沢や奈緒と戦おうっていうのだろうか?


 元の仲間と戦うのか?


 というか、俺の世界征服なのに、それ以外の人間……しかも、元正義の味方にそんな役をやらせてしまっていいのだろうか……


「……とりあえず、今日の様子見としておこう」


 俺もそう思うことで自分を納得させ、屋上を後にした。

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