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ホーリーセイバーの危機 3

「何!? 一条がホーリーセイバーをやめる!?」


 予想通りの反応。


 昼休みの屋上で、俺は赤沢に奈緒にも話したようにことの顛末を話した。


 さすがの歴戦の不良、赤沢暁美も唐突なことに驚きを隠せないようだった。


「ああ……まぁ、そういうことらしい」


「……そ、そうか……」


 あまりにショックだったのか少しふらついて屋上のフェンスに寄りかかる赤沢。


 俺はつい心配になってしまう。


「お、おい、大丈夫か?」


「……アイツ……なんで……クソ……こんなことなら……あー……どうしてそういうことするかな……もう」


 と、思ったが、むしろ、赤沢は何か怒ったようにブツブツと呟いているのだ。


 その瞳はいつもの鋭いもの以上に鋭く、怒りが見て取れるくらいだった。


 しかし、なぜかどこか悔しそうなのだ。それはどこかで見た表情で……


 そう。真奈だ。


 俺が清夏を屋敷に置くことを決定した時に俺に向けた真奈の表情そっくりだったのだ。


「お、おい。赤沢?」


「……え? あ、ああ。す、すまん。ついあまりのことにちょっと……な」


「……無理もない。俺だって逆の立場だったらそんな風になっていただろうよ」


 赤沢は溜息をつきながら頭を抱える。


「ふっ。敵に情けをかけられるとは……情けないにも程があるな」


「あ、あはは……そ、そうかもな。でも、まぁ……お前には言っておく必要があると思ってな」


「……イエロー……横井には言ったのか?」


「ああ。奈緒のヤツは清夏を説得するって言っていたが……まぁ、奈緒じゃ無理だろうな。だから、こうしてお前にも伝えておこうと思ってな」


「そ、そうか……すまない」


「礼など言うな。どこの世界に悪の組織の親玉にお礼を言う正義の味方がいる?」


 すると、ふっ、とやるせなく赤沢は微笑む。


 ある意味では誰よりも真面目に正義のヒーローをやっている赤沢としては、表面的には自分と同じくらいに真面目にヒーローをやっていた清夏の裏切りはショックなのだろうが……

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