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衝撃! 裏切りの乙女隊! 4

「……おい、真奈。何が不満なんだ? いいじゃないか。

 もし、コイツに俺に対する忠誠を尽くそうという気がなければ追い出す。もし、忠実な手下になる気があるなら、これほどの戦力なる奴もいないだろう?」


「……戦力? つまり、聖冶は、正義のヒーローの力を借りて、世界征服をしようっていうの? 悪の組織の親玉が聞いて呆れるわね」


 馬鹿にしきった調子で、真奈はそう俺に言いきった。


 さすがの俺もその言葉を聞き流すことはできなかった。


「な、なんだと? ……いいか? ヒーロー戦隊モノには大勢正義の味方が敵方に寝返って、それで正義の味方と戦うなんていう展開がごまんとあるんだ。

 だったら、現実でもそういう展開になっても問題ないだろうが」


 真奈はそういわれてなんだか歯がゆそうに、そして、悔しそうに俺を見る。


 それから忌々しげに一条を見た。


 すると真奈に睨みつけられた一条は、一瞬何か考えたようだったが、すぐに、なぜかニンマリと底意地の悪そうな笑顔を浮かべて真奈を見返した。


 その笑顔に、あのいつも不遜な態度な真奈が少し戸惑ったようにも見えた。


「ふふっ。そうでしたね。忘れていました」


 すると一条は真奈の前に歩いていって、これまで以上に深くお辞儀をする。


「……どういうつもり?」


「聖冶様に忠誠を誓うということは、その許婚である真奈様にも忠誠を誓うということ。ですから、真奈様も、私になんなりお申し付けください」


「……別に私はアナタに命令なんてするつもりはないわ」


「ああ、そうですか」


 すると一条はまたニッコリ笑って真奈を見た。


 その反応に面食らって、さすがの真奈もキョトンとして一条を見る。


「でしたら、さしてがましいようですが、私が勝手にやらせていただきます。真奈様。どうか、ご安心してください。これから聖冶様のご面倒は全て私がやらせていただきますので」


「……は!?」


 と、真奈らしからぬ、感情を露にした声がその口から出た。


 思わず俺、そして、隣にいた片岡、彩子までもが驚いてしまう。


「ええ。ですから、真奈様が命令なさらぬのなら、私の方で勝手に判断させてもらったまでです。許婚とはいえ、聖冶様のお世話は大変でしょう?」


「い、意味がわからないわ……だ、大体――」


「ねぇ? 聖冶様。真奈様は許婚なんですよね? でしたら、それはもう、聖冶様は真奈様何から何まで面倒を見ていただいているのでしょう?」


「え……あ、あー……い、いや。真奈にはそこまで……」


「聖冶!」


 と、真奈はふいにリビングに響きえわたるほどの大きな声で俺を怒鳴りつけた。

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