襲来! 青い閃光!
俺と真奈は思わずそちらに振り向いてしまう。
「な、なんだ? どうした、片岡」
「まだ、食事中よ。騒がしいわね……」
「も、申し訳ございません……で、ですが……」
「へぇ……ここが、悪の組織、ダークネクロムの本拠地、そして、梅木聖冶君のご自宅というわけですね」
その声を聞いて俺は思わず手にしていたフォークを取り落としてしまう。
隣の真奈も、驚いて口をあけたままその声の主を見ていた。
「なっ……お、お前は……!」
「遅くに失礼します。梅木君と黒田さん。本当にお二人は一緒に暮らしているんですね。許婚という噂は本当のようですね」
「そ……そ、そんなことはどうでもいい! な、なぜお前がここにいる!? 一条清夏! いや……ホーリーブルー!」
前髪をデコの部分で綺麗に切りそろえ、長い髪の先は、これまた同じように一本一本、全て同じ長さに切り揃えられた、清楚な感じの美少女……
それはまぎれもなく、ホーリーブルーこと一条清夏の姿だった。
「なぜって……私は、正義の味方をやめましたから」
一条は、ニッコリと微笑み、なんのことはない、と言った感じでそう言った。
「……はぁ!? や、やめた?」
「はい。これからは悪の手先として頑張って行く次第です。よろしくおねがいしますね。梅木君……いえ、ドクターフェルシル様」
そういって優しげに微笑む一条。
どうやら、俺が望んでいるとおりに、大きな変化の展開はやってきたようだ。
しかし、それは俺の想像をはるかに超える規模での大きさだった……