表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/114

激突! 異世界での戦い! 5

 そうしてそのまま俺はさらにホーリーブルーに向けてサイコカオスの拳の狙いを定める。


「くっ!」


 しかし、それはブルーに避けられてしまった。


 ……まぁ、いい。今日のターゲットはイエローだ。


 俺はもう一度サイコカオスをイエローの方向に向けてマイクに口を近づける。


 イエローは既に立ち上がって俺に向かって構えていた。


「イエロー! もう一つ聞こう!」


「え……ま、また?」


「ああ、江戸幕府が創設されたのはいつだ?」


「え、えど……ば、ばくふ?」


 完全にオロオロしているイエロー。


 俺はニヤリと口の端をあげて微笑みながらイエローに狙いを定める。


「1603年だ! そんなこともわからんのか!」


 俺はそのまま思いっきり拳を振りぬいた。そして、これもまたイエローに思いっきりヒットした。


 サイコカオスの鉄の拳が叩きつける感覚……それをまるで直に感じるかのようにして、俺は快感さえ感じていた。


「い、イエロー! くっ……お、おい! ドクターフェルシル! いい加減にしろ! 一人だけ集中的に狙って……そんな戦い方をして楽しいか!」


 レッドは怒り気味にそう怒鳴る。


 思わず俺は操縦レバーを握りながら、笑みを浮かべてしまった。


「ああ! 楽しい! こんな楽しいことは……ない!」


 そういいながら俺はレッドに向けても拳を振り下ろす。レッドはそれを間一髪で交わす。


 俺はそれを見てからまたイエローに狙いを変える。


 先ほどの一撃がまだ応えているのか、フラフラとしながらイエローは立ちあがった。


 見ればイエローのバトルスーツは所々既に破損している。


 かつて爺様に聞いたところでは、ホーリーセイバーの装備はダークネクロムほど頑丈でないから、攻撃さえ決めることができれば、何発かで勝つことができる、と。


「う、うぅっ……」


 苦しそうな声をあげるイエロー。


 そうだ。もっと苦しめ……! 俺は悪の組織の首領なんだ……そして、今正義の味方の一人を完全に追い詰めているのだ……!


「はーはっはっは! どうした? ホーリーイエロー? お前は全く勉強ができないようだな! そんな奴が正義の味方なんて、ちゃんちゃらおかしくて話にならないなぁ!?」


 と、その時だった。


 イエローはそのままサイコカオスを見上げて固まってしまったのだ。


 俺はモニター越しにその様子を見る。


 ヘルメット越しに見えるこちらを見ているイエローの瞳は、既にウルウルと潤んでいたのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ